接待ゴルフとかそういうのみたいにわざと負けた方が良いに決まってるけど、今更やるとわざとらしすぎる。
「ボ、ボス!こことこことここを一緒に押すと超強い必殺技が出るよ!」
「こうか」
「そうそう!」
「こうね!」
「お前はやるなああああ!」
気を使ったのも虚しく、どちらも同時に超必殺技を繰り出した。
ボスのキャラは凄まじい炎を、対してルッスーリアのキャラは。
凄 ま じ い 氷 を 。
ボスのは相手を燃やしきり、ルッスーリアのは相手を氷漬けにして、何とか危ういところでボスが持ちこたえた。
「やん!ギリギリで負けたわ」
「わーやったねボ…」
「…………」
「あ駄目だボス心折れてる」
「おぉい誰かじゃがりこ買ってこい!トラウマ様が来たぞぉ!」
「ボースー、ほら王子のコインチョコやるって」
「ボス、ほら凍ったのはボスじゃなくて『俺』だよ。よく見なよ」
「マーモンそれ逆効果だから!」
そこからどうにかレヴィが速攻で買ってきたお菓子で気力を回復させたけど、しばらくは談話室でゲームが一切禁止になった。
―――――――…
「しょっぱい記憶よねえ…」
「あー…それでベルの部屋でゲームやるようになったから、こんなにクローゼットに入ってたんだ」
「最近新しいの買ったしいらないね」
「じゃあこれも捨てる候補に入れ…」
と完全に気を抜いた瞬間、部屋のドアがかなりの音を立てて開け飛ばされた。
「ゔぉおい!てめぇらボス知らねぇか!」
全員が凄い表情でそちらを見、スクアーロと認識した瞬間睨んだから、一瞬ビクッとしていた。
驚かせないで欲しい。
「何だスクアーロじゃないの…」
「全く人騒がせだね」
「…俺が悪いのかよぉ。こっちはボスに任務報告するっつぅ義務が、ってこの部屋散らかりすぎだろぉ!」
「うるせーな。言っとくけどボス今日あの日だから」
「あの日ぃ?…ああ、つってる間に本人が来たらしいなぁ」
「「「「!」」」」
完全にスクアーロに気を取られてたけど、廊下の奥からあの恐ろしい足音が響いてきていた。
「今度は私がクローゼットに隠れるわね」
「俺カーテンの裏」
「じゃあ僕はベッドに寝てぬいぐるみの振りするよ」
「じゃあ私は座って考える人の銅像の振りする」
「あ?え、おい、何だ?」
次の瞬間、ドォン!と重々しい銃声が辺りに響いた。
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