「うわすっげー懐かし。いつだよ俺らでこれ使ったの」
「あー流行ったの何年前だっけ…」
―――――――…
「そう言えば皆って運転できるの?」
その昔、何気ない会話の中で私がそう聞いた。
私とベルは運転可能な年じゃないし、ボス達は運転手付きが当然だし、マーモンに至っては物理的に不可能だったから気になっていただけの事なんだけど。
「「「「…………」」」」
大人四人がこうも黙るとは予想外だった。というわけで。
「ゔぉおい、ブレーキってどのボタンだぁ…!」
「だーから△だっつーの」
「いやん、通行人がどけてくれないわ」
「ルッスーリア!リアルな世界でも通行人は避けてくれないよ!」
ドガッシャーン!!
「ボス車壊しすぎだよ」
「ゴールはどこだ」
「ボスそっち海!海!」
お遊び程度にとレーシングゲームをしてもらったらそれはそれはひどいことになった。
もしかしたら運転出来ない以前に運転させてもらえなかったんだろうか。
良い判断だと思う。
じゃあ得意分野ならどうだ、ということになって。
「えーっとそうそう、格闘ゲームって言うのさ。適当にボタン押してれば攻撃するよ。私このスクアーロに似てるキャラにしよ、名前もスクアーロで」
「うぉおい…マジで似てんなぁ」
「僕はこの兎にするよ。名前も『うさ』で」
「何それマーモン可愛い」
「僕可愛い?狙ってるけど可愛い?」
「そのあざとさが逆に可愛いという新境地。
「ボス炎使いにしたわけ?名前は?」
「『俺』」
「それは後々困ることに…いや何でもないんよ」
「わたしはキュートな女の子キャラね。名前は『ルーちゃん』で行きましょ」
─Fight!!─
「うおりゃあ!髪アタック!!」
「俺そっくりのキャラにんなことさせんなぁ!」
「あら意外と簡単ね〜」
「ルッスーリア強すぎじゃね?」
「すごい、キュートな女の子がウサギをなぶり殺してる。僕だけど」
「あ!スクアーロ死んだ!」
「その名前やめろぉ!」
最終的にもはや極めたといっても良いルッスーリアと、画面端に向かって必殺技を繰り出し続けていて放置されたボスが生き残った。
どうしよう、どうしようこれ。
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