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俺たちの組は、一人一人にランク付けされており、それに見合った部屋が与えられる。例えば、俺、ヨシノリはE D C B A Sランクの内、Bランクだ。そして、そのランクを示すものが胸に付けている記章であり、分かりやすく色分けされている。
本来なら俺の胸にも青く輝くものがあるはずなのだが、只今療養中のため剥奪中なのである。


「はぁ…」

「何シケた面してんのよ」

「だってな、アキエ。今日俺が受けた仕事すっごい楽そうだったのに、みすみす他の奴に回っちまって…」

「あんたが馬鹿みたいにはしゃいで一発バーンとやられたのが悪いのよ」


ご丁寧に動作までつけて返答してくださるもんで、打たれた左肩が少し疼いた気がした。
そんなことを話していると、扉を数回ノックされる音がして、俺よりも先にアキエがどうぞ、と扉の相手へ促した。おい、俺の部屋だぞ。
ガチャンと音がして顔を出したのは直属の上司である我らがリーダー、グリーンさんだった。


「よお、生きてるか」

「リーダー!?どうしたんですか、こんな薄汚れた部屋に!?」

「だから俺の部屋!!」

「まあ、そう言ってやるなアキエ。こんな部屋でもヨシノリにとっては都だろうよ。それより、怪我のこと聞いたぞ、大丈夫か?」


そう言いながら、リーダーは高そうな靴を鳴らして近寄り、ベッドへ腰をおろした。俺より若いくせに黒のスーツがよく似合う人だ。そうでなくとも大人な雰囲気を醸し出しているというのに。


「ええ、お陰さまで。貫通してたんで、たいした事ないですよ」

「そりゃよかった。只でさえ、俺らトキワ班は人手不足なのに、お前が抜けたとなると労働時間増えるからなぁ」


先程とは打って変わったように、年相応の顔で笑い、話してくるリーダーにこっちもつられて笑ってしまう。


「ええー、俺の身体は心配じゃないんですか」

「大事ないってお前が言ったんだろうが。あーあ、そんな元気ならお前の仕事なんて引き受けるんじゃなかったなー」


予想外の台詞に思考が一時停止した。
え、は?あの楽な仕事を?リーダーが?あんな雑魚を?
ふとアキエの方を見ると、そっちもかなり驚いたようで、リンゴを剥いていた手が止まっていた。


「あ、お、お手数をお掛けして申し訳ございませんでした…」


咄嗟に出てきた謝罪を述べる。
汗を滴ながらリーダーを見ると楽しそうにおう、と返事をするだけだった。


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bkm
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