この世界では、肩書きなるものは数えきれないほとあるがその中でもエリートトレーナーというのは何かと便利なものだと思う。

エリートと呼ばれるだけあって頭がよく、身体能力も悪くない。勿論バトルセンスも長けている。そんないい人材、女が寄ってこないわけがないだろうに性処理でも何でも困ることもない。つまり何が言いたいかと言うと多くの人の憧れなのだ。

だが、上には上がいるというもので…


「残念だったな、また挑戦しに来いよ」


まぁ俺様に勝てるとは思わねぇけどな、そう目の前の少年が言う。

その少年の名前はオーキド・グリーン。

たった今、俺を負かした相手だ。

正直舐めていたのだ。いくら最年少リーグチャンピオンといっても俺よりだいぶ年下で整った顔立ちをしているが幼さが残っている。勝てると思っていた。勝って、ジョウトにでも行って、こちらよりもレベルが低いと聞くジムを制覇してやろうと、そう意気込んでいた。あぁ、本当に、油断大敵とはこのことか。こんなガキにしてやられるとは思わなかったな。


「…再戦時には勝たせてもらうから、その傲慢さもいつまでももつと思うなよ」


皮肉を込めた返事だが負け犬の遠吠えにしか聞こえずさっさとこんな場所去ってしまおうと後ろを振り返った。惨めなものである。


「おい!待てよ!」


振り返った瞬間、少し高めの声に呼び止められた。声の主があの少年だとはわかってしまい何だか憎くなった。


「…なんだよ」

「お前さ、このジムで働く気ないか?」

「……は?」



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