「お!やっと来たか!」
何度目かもわからない強気な笑顔を向けて、ここのジムリーダーであるグリーンが俺に笑いかけた。いつも通りなように思うが何か違和感がある。何だ?…あ、
「今日は随分早くここに要るんだな」
そうだ。いつもなら俺が最後のトレーナーを倒すとこのジムで最初に倒さなければならないヤスタカが奥まで行きこいつを呼んでくるのに、今日はまるで予想してたかのようにあの表情でここに立っているのだ。やっと真面目に仕事をこなすきになったか?
「ん?あぁ、いやちょっとな」
「ちょっと?」
「へへ、そろそろソウルが来る頃だろうと思って待ってたんだよ」
「…は?」
この目の前のカントー最強ジムリーダーとか言われてる奴は照れ臭そうに笑いかけてくる。何を急に馬鹿なこと言ってんだよ、この人は!
いや、その笑顔が可愛いとか俺だけに向けられて嬉しかったとか名前知ってて嬉しかったとか思ってない、思ってないからな!
「あ、今嬉しいって思っただろ」
「お、思ってない!くだらないこと言ってないでバトルするぞ!バトル!」
指摘され少しどもってしまった。これじゃ当たってると言っているようなものじゃないか。
それでも照れんなって、と茶化してくるこいつは本当にめんどくさい。いいからボールを投げやがれ!
でもなんでか嫌いにはなれないんだよな、この人のこと。
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