05
「…暇だ」
「へぇ、ならジムの書類でも整理してなよ」
「……」
「……」
「…まだ怒ってんのかよ」
「何の話？」
「だから、その態度だよ！」
「僕はいつもこんな感じだけど」
「どこがだ！てか、さっきから謝ってるだろ！いい加減に機嫌直せよな！」
「…別に謝ることないよ。ジムの前で待ち伏せされて、プレゼント貰って、抱きつかれてキス。それがいつもグリーンがさらてることなんでしょ？なら問題ないんだよね？」
「だ、から、あれは違うんだよ！いつもあんな奴がいるってことじゃなくて、たまに、本当にたまーっに、いるってだけだ！」
「でもそのたまにあることも受け入れちゃうんだよね、うん、グリーンって本当にモテモテだね」
「だからなんで嫌味っぽく言うんだよ！俺だって、あんなの、嬉しいことじゃないし…」
「……なら、モテモテなグリーンくんは誰にされたら嬉しいの？」
「っな？！！」
「だってそういうこだろ？あんな美人の人にされて嬉しがらない男なんてそうそういないものでしょ。それともやっぱり嬉しかったの？キミお得意のツンデレってやつ？」
「誰が…っ、」
「あれ？まさか気付いてないとか？あんな分かりやすい子他にいないってくらいなのに」
「黙れよ…」
「いいけど、グリーンはそれでいいんだね」
「…っ、」
「そっか、わかったよ。それじゃ僕もう帰るから」
「…レッド！」
「…何？」
「俺が…キス、とか、してもらって嬉しいのは、」
「……」
「…お前、だ、よ」
「…そっか」
「おぅ…」
「僕がしたいのもグリーンだけだよ。他の人になんて今後奪わせないんだから」
「うん、俺も努力する」
「それにしてもムカついた。グリーンは僕のものなのに」
「…うん」
「だから罰として今日はグリーンからキスしてよ」
「…うん、ん？え、なんか、変な方向に話が進んでいって」
「ほらほら、グリーン」
「…ちっきしょ、今度仕返ししてやる」
「楽しみにしてるよ」
――――
策士赤様