某月某日、イケメンジムリーダーことグリーンは必死になって仕事を片付けようとしていた。
「…〜〜っ、あー!もうやだ!疲れた!何日寝てねえんだよ俺!」
仕事の時はいつも付けている眼鏡を机上に置き、家を出るとき姉のナナミから渡されたクッキーを出し、市販の紅茶を入れる。
「よし、出来た。休憩してまたやるとするかぁ…」
「え?まだやるの?」
「おー、これ今週中だからさぁ…って、え?」
何の気なしに返事をしていたが、この部屋には自分一人だけだったと思い出しグリーンは声の方へと視線を向けた。
「…レッド?」
「いい加減寝なよ」
「いや、うん、それはそうなんだけど…なんでいんの?」
ここにいるはずのない人物、もといレッドに疑問を持ちグリーンは椅子から立ち上がり近付いていった。
「暇だったからグリーンに夜這いをかけに行こうと思って家に行ったら、ナナミさんからグリーンが仕事で帰ってきてないって聞いて飛んできた。」
「ちょっと待て、前半おかしかったぞ!なんだ夜這いって!なんで暇潰しで夜這いなんてしようとしてんだよ!そんなことで使われるリザードンが可哀想だわ!」
「それで、どうせグリーンの事だから徹夜でずっとやってると思って急いできたらご名答ってわけ。」
「スルーすんな!」
「うるさいな、いいから寝なよ。」
力強く腕を引かれドサッと鈍い音がしたかと思うと、目の前には天井。
起き上がろうと試みてもレッドに肩を押さえられて起きることができない。
「ちょ、離せよ!」
「やだ、だって離したらまた仕事しちゃうんでしょ?」
レッドの紅い瞳がグリーンの翡翠を捕らえる。逸らそうと思えば容易いことだが、見入ってしまうともう遅い。しばらくそのままで固まっていると深紅のものがくすんで見えた。
(心配…してくれたのか…)
そう思えば急に愛しく思えてきた。グリーンは両腕をレッドの首に巻き付け、引き寄せた。
「!」
グリーンの急な行動にレッドはされるがまま覆い被さる形になる。
(え、何これ?何これ?!今夜はOKってこと?!てか、今からヤろうってこと?!いや、でも、グリーンは徹夜続きで疲れてるんだし、でもグリーンから誘ってくれることなんて滅多にないし!もうここは男してガバッと!でも急にして嫌われたら嫌だしでも、でも、)
(なんだかんだ言ってレッドも優しいんだよなぁ…その優しさでこのまま寝させてくれねえかな…)
それぞれの考えが巡る。
そんな状態が何分か続いたとこでグリーンが腕を離した。
(あっぶねー、寝るとこだった…仕事しねえと!)
グリーンはそう思うと未だに考えを巡らせているレッドを押し退け椅子へと座った。
「?!」
「悪いな、レッド。寝ようかと思ったんだけどやっぱ仕事やんなきゃなんねえから、また後でな。」
「う、うん…」
(あああぁぁ…やっぱりさっきヤっちゃえばよかったなぁ…グリーンもその気だったみたいだし…)
(ちょっと勿体無かったな…でも仕事仕事!終わったら存分に寝させてもらおう!)
グリーンはすでに冷めてしまった紅茶を一口飲んで眼鏡をかけた。
いざ始めようとすると腰に多少の違和感を感じる。見るとそこにはモンスターボールがあり、中にいたイーブイがじっとグリーンを見据えていた。
(あぁ、そういえば仕事が一段落したらブラッシングしてやろうと思って忘れてたな…もう少し掛かりそうだし外しとくか。)
グリーンは腰に手をやりボールを外すと後ろを向き、いつもボールを置いている場所へと視線をやる。
しかし、そこの前にレッドがいるため置けないようになっていた。
「レッド」
「…何?」
「ちょっと置かしてくれねえ?」
「!!?」
(ちょっと!この子今なんて言った?!『犯してくれねえ?』って!据え膳食わぬはなんとやら、だよね!)
「…わかった」
ゆっくりとグリーンへ近付くレッドは事故解釈した言葉をそのまま実行しようとグリーンへと手を伸ばす。
「悪いな、すぐ済むからっ…!?」
「グリーンの望みの通りにしてあげる。」
「え、いや、なんの話がさっぱりって、何?!本当に何?!なんで服脱がそうとしてんの?!」
「あれ?着たままの方がいいの?」
「ちっげーよ!何盛ってんだよ!!」
レッドの性急な行為に半泣き状態のグリーンだがそんなもの興奮材料でしかない。
結局流されてしまうグリーンだが、徹夜続きの疲労で気を失い、翌日レッドを怒鳴り散らしたのはまた別のお話。
――――
あとがき
皐月様よりリクエスト『色んな意味でぶっ飛んだ赤と常識人緑のかみあわない会話』でした。
常識人緑が皆無でしたね!申し訳ないです!しかも赤様の完璧なキャラ崩壊…
てか下ネタっぽかったんですけど大丈夫だったのでしょうか…?
噛み合わない会話が難しくてこれしか思い付きませんでした…
なんか謝っても謝り足りないです…
こんなので宜しければ皐月様のみお持ち帰り可能です!
リクエストありがとうございました!
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bkm