06


今日の仕事は今までにないくらい少なく教室で終わらせることができるくらい、あっという間に終わってしまった。

そのことに機嫌が良い俺はまだしているであろう運動部の声を聞きながら既に終えた仕事を職員室まで運び、ふと通り道である2年3組を覗いた。するとそこには生徒会室では慣れてしまった目立つ緋が机に突っ伏していた。

下校時間が過ぎていないと言えども、こんな誰もいない教室で一人いるなんておかしいだろ、普通。

それにこいつはいつも生徒会がないときにはすぐに帰ってしまうやつなのだから余計にだ。


「…グリーンさん?」

「えっ…!?」


物珍しさについ長く見つめてしまっていたのかあいつ、ソウルの方が先に声をかけてきた。不意打ちだったためつい変な声をあげてしまった。俺としたことが…。


「お、おぅ!こんな時間まで何してるんだ?」


珍しい、と最後に付け加えて歩み寄っていく。それを聞いたからか、否か、ソウルはまた先程のように机に突っ伏してしまった。なんだなんだ、本当にとにどうしたんだよこいつ。


「どうか、したのか…?」

「………、」


何も言おうとしないソウルの目の前の椅子をガタガタと音を鳴らし出し座る。


「言いたくなかったら言わなくてもいいけどな」

「別に…言いたくないとかじゃ…、」

「そうか、なら、試しに言ってみれば?」

「…っ、実は、」

「うん」

(こいつは一人でため込みすぎるんだよな・・・)


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