02


二本の髪束を揺らしながら『生徒会室』と書かれた扉を叩く。

まだ大して通っているわけではないのに馴染みの場所と言ってもおかしくないような気がしてくる。

それほどまでに楽しい。真面目なはずなのに変なの。


「こんにちわー!」


「おぉ、コトネじゃねえか」


「あれ?グリーンさん一人ですか?レッドさんは?」


中にいたのは綺麗な緑色をした携帯を弄っているツンツン頭で俗世にはイケメンと呼ばれる現副会長のグリーンさんだけだった。


「レッドは補習でヒビキは日直、ソウルは掃除当番なんだと」


「なるほど」


2つのパイプ机が合わせられ、そこに4つのパイプ椅子が設置してある。その中の一番ドアに近い所が私の席になっている。
そこへ座るとグリーンさんとは斜めに顔を会わせることになるが別に苦ではなかったのでそのまま会話を進める。


「それじゃあ二人っきりなんですねー」


「そうなるな」


「…暇ですねー」


「そうだな」


返事はするもののまったく会話を続けようとせず携帯を弄っているグリーンさんに少しイラッときた。少しね、少し。
精々、その自分の名前と同じ色した携帯ぶっ潰してやろうか!くらいよ。


「ていうか、副会長なんだから仕事したらどうですか」


嫌味ったらしく言ってみると人のこと言えんのかよ、なんて返してくる。私としたことが、盲点だ。

返す言葉がないので鞄から筆箱を出し、仕方なく今日の分の資料まとめを始める。

「ほら、私は仕事してますよ!グリーンさんもしてください!」

よし、これならグリーンさんだって言い返せないだろう。

「何言ってんだよ、俺はちゃんと仕事してるぜ?」


「…は?」


え、いやいや、そんなドヤ顔で言われても、あなた携帯弄ってるだけじゃないですか。

余程可笑しな顔をしていたのかグリーンさんはぶはっと噴き出してから弄っていた携帯を見せてくる。
そこには『報告書』と書かれたページがあって、下には文字がズラーッとあった。

「え、何ですかこれ」


「報告書。まぁ活動日誌みたいなもんだな。」


「いやいや、普通報告書とかって紙に書くんじゃないんですか?なんでこんな携帯でやってるんですか?」


「そりゃあれだ、俺らの顧問を思い出してみろ。」


「顧問?」


話流れから見ると俺らのって言ってたのは生徒会の顧問ということだろう。
生徒会室には全然顔出さなくても一応、知っている。
オーキド校長だ。
オーキド校長は今私の目の前にいるグリーンさんのお祖父様らしい。ただ正直このことはグリーンさんが言っていたので信じていない。名字が一緒なのをいいことに何デタラメ言ってるんだと呆れていたのだが…


「オーキド校長がどうがしたんですか?」


「校長は世界中行ったり来たりしてるから学校にはほとんど要ることがない。でも顧問だから報告書を読む必要があるとかなんとか言って、メールでやってくれと頼まれたんだよ。」


グリーンさんはそれを言い終わるとまた携帯を弄りだし、メールを送信した。


「本当はレッドがするべきなんだろうけど、じいさんのアドレス知ってるのは俺だからな。」


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bkm
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