最後の初恋


グリーンと初めて出会ったのはいつだったろう。思い出せないほど遠い記憶になるわけだが、ずっと見てきたことだけは覚えてる。

最初は幼馴染みとして、親友として、大事に思っているんだと思っていた。

幼い頃のグリーンは泣き虫で、僕が守ってあげていた。

近所に同じ年頃の子は僕らだけだったからいつも一緒で、離れることはないと思っていたのに…


「じゃあな、レッド!」


君は自ら去ってしまった。
ずっと一緒だと思っていたのに、僕が守ってあげるのに。
伸ばした手は届くことなく虚空を舞う。


―――あぁ、僕グリーンのこと好きだったんだなぁ


自覚したのはそのときだ。
それから旅の途中で出会っては馬鹿みたいに一喜一憂して、バトルして、少し話して別れる。
こんなことを繰り返し繰り返し。
もう何回目か分からないのに、馬鹿みたいに続ける。続けようとする。

いや、本当の馬鹿は僕か。

気持ちを伝えるでもないのに思い続けてる。重いなぁ、僕って。

それでも、グリーンを見ると鼓動が早くなって、あの綺麗な肌に触れたくなる。

どれだけ月日がたとうと薄れることなく、思い。想う。

これから先もきっとそうだと苦笑をするしかない。


bkm
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