明日は雷雨


グリーンは今浮かれていた。

なぜなら今日はグリーンとレッドが付き合いはじめてちょうど一年だからだ。

いつもクールな(つか静かすぎる)レッドだけどこういう日ならなにか準備しているはず!

というか準備していて欲しい!!!!

という願いを胸に込めていた。

かくゆうグリーンもケーキを作っていて
(ちなみにフルーツケーキだ)料理やお菓子作りは好きだから予想より早く出来てしまった。


(気に入ってくれるといいけど…)


 
出来立てのフルーツケーキを冷蔵庫にしまいリビングに移動した。

リビングにあるソファーにイーブイが寝ていたので起こさないよう隣に座った。

しかし起こしてしまったようで悪いな、と謝罪の言葉を述べて撫でてやると可愛らしい鳴き声を出してグリーンに身を寄せてくる。

イーブイは気持ち良さそうにグリーンが撫でるのに身を寄せた。


「…可愛い」

「グリーンがね」

「!!?」

「やぁグリーン
来ちゃった」


リビングの入り口にはレッドがいた。

確かに今日は一応記念日なのだが本当に来る保証はなかったのでグリーンは驚きの表情を隠せない。

それでも来てくれたんだと思うとグリーンは胸がきゅっと絞まる感じがした。

しかしそんなことは束の間レッドの服装が違うことに気付いた。

いつもは赤と白の半袖に長ズボンという格好なのだが今日は何故かスーツだった。

そんなレッドに驚きつつもグリーンはぽつぽつと言葉を紡ぎだした。


「あの、レッドさん、質問、していいか?」

「ん、いいよ」


レッドは軽く快諾する。


「なんで、スーツなんだ?」

「…だって、今日は記念日だろ?」

「!!」


驚いた。
レッドが、あのレッドがそんなこと言うなんて…

グリーンは思い切りレッドに抱きつきたくなったが、寸前で自我が働き抱きつかずにすんだ。


「……」


ぎゅっ


「!!?」


突然のことで頭がついついかない…


(ま、待て、ちゃんと整理しよう


えっと、まずレッドが記念日覚えてて、スーツ着てて、抱きつきたくなって、それでそれで…!


だ、抱き締められてるんだ…)


今の状況を把握できたグリーンは瞬時に顔が赤くなるのがわかった。


(抱き締められてて良かった…こんな顔、見られずに済む…)


グリーンはレッドの胸に顔を埋め、腕を背中にまわした。


(いつもなら恥ずかしくて出来ないけど、今日は記念日だから、特別だ。)


グリーンは勢いよくまだほんのりと赤い顔を上げて驚いているレッドの顔に近づいていく。


二人の距離は後――――


bkm
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