ぼーとした感じで、体は妙にすっきりしていた。隣には、いつもって訳じゃないけどほぼ毎日一緒にいるランピーの姿があった。頭を垂れていてその顔は酷く悲しそうだった。天井はたまに見るあいつの家で、俺が寝ているのはあいつのベットだった。


「おはよ。」


そう言うと初めて俺が起きている事に気付いたみたいで、泣きそうな顔のまま抱きつかれた。


「もう起きないかと思った。」
「縁起でもねぇ。」


そう言って頭を数回撫でてやると、頭を上げ泣きそうな目で見てきた。きっと大丈夫何て言ったところでこいつは、大丈夫なんかじゃないんだろうな。何てぼんやり思いながら、どうしたんだよ。って結局聞いてしまう。俺も随分人が良いな何て随分客観的に考えてしまった。

「ラッセルを……。」

理由なんか言わないと思ってたとこに口を開かれて少しびっくりした。しばらく見ない、真剣な目をしていた。

「殺す、夢を……見たんだ。」

消え入りそうな声でそう言われる。たいした事ないだろ。そう言えてしまう自分はどうかしているのかもしれない。

「いや、そしたらさラッセルに首絞められて……許さないって。」
「ふぅん。」
「で、ラッセルはもう目……開けなくて。」

ぎゅっと俺の服をつかむランピーの手の力が強くなる。それに手を添えながらラッセルは口を開いた。

「でもさ、それって普通の事だろう?」
「え?」
「殺されたら恨むだろうし、死んだ人は普通生き返らない。」

ぽろりとランピーの目から涙がこぼれた。


「海賊だったころは恨まれるのも、誰かが死ぬのも常識だったんだ。まぁ、確かにこの町では非常識だけどさ。そうだろ?ランピー。」
「うん。」
「だからそれも当たり前だと思わなくちゃさ。いけねぇじゃん。」
「うん。」


目からこぼれ落ちる涙の数は次第に多くなって、止まらなくなった。

「夢で良かっただろ。もう泣くなよ。」
「ごめん。」

そう言って俺のシャツをハンカチ代わりに使った。
謝罪は、めんどくさい悩みの種についてか。話を聞いてくれた事に対してか。はたまた夢で死んだ俺に対してか。それとも____


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