H28 クリスマス | ナノ
「クリスマスデート」H28
あちらこちらに飾られた電飾。電力の無駄だろう。とランピーは風情の無いことを考えていた。
世間はいわゆるクリスマスムード一色。と言ったところだろうか。毎年こうなるのだから、今更カップルが腹ただしいとか夢見ている餓鬼が邪魔くさい。とは思わない。わけがない。やはり少し邪魔くさい。しかし自分もその浮かれたカップルの一人なのだがら仕方ないと言えば仕方ない気がする。
「なぁ、ランピー。あれ電力の無駄じゃないか。」
隣にいた恋人、ラッセルが大きなツリーや電飾を見ながら言った。同じことを考える辺り自分とラッセルは似てるのだろう。
今日の恋人はいつもの涼しげな恰好ではない。勿論、この寒いのにそんな格好をする馬鹿はいないだろうが。いつもは右で結んでいる髪の毛を「寒いから。」という理由で下している。そこにやはり「寒いから。」という理由で巻かれたマフラー。少し深い色の青のマフラーは、彼の明るい水色と緑色を混ぜたような髪の色によく似合う。そしてやはり「寒いから。」という理由で着たコートの少し硬いボタンは、彼の左手だけではうまくとめることができなかった。ので、もちろんとめてあげた。その時の彼の不機嫌そうな顔。そんな彼に自分は「寒いから。」と言ってそのままボタンをとめて、彼の冷えた左手を握り自分のダウンのポケットに一緒につっこんだ。
勿論、その手はいまでも自分の右手と一緒にポケットの中に入っている。クリスマスとは人を大胆にさせるのかもしれない。いつもの彼ならこうはいかなかったはずだ。
「ランピー?」
「え?嗚呼、うんそうだね。あれ、なかなか電気使うんだよねぇ。誰のマネーなんだろうね?住民の税金なのかなぁ?よく知らないけどさ。」
なかなか返事を返さない自分にラッセルが再度自分の名前を呼ぶ。何してんのかな。自分。と思いながら早口でそう言うとその返答でランピーは何時も通り。と察したらしいラッセルが鼻で笑うように言った。
「俺らの税金だったら損だな。」
「そうだねぇ。」
同意をして電飾から恋人に目をやる。こちらは向いていない。自分よりも背が低い恋人の長い睫を上から見ながらふと口をこぼした。
「綺麗だね。」
なんで突然そんなことが口からこぼれたかなんて分からなかった。言った後にしまった。と思うがもう遅い。その言葉にラッセルが反応してこちらを向く。
「ロマンチストみたいなこと言うのな。」
「いや、ええとさ。」
「確かに。まぁ、綺麗だよな。」
え?と言いそうになったところでラッセルが「電飾。」と付け加えた。その言葉に助け舟を求むようにそれに激しく同意した。
「そう!ね!綺麗だね!」
「嗚呼。綺麗だな。」
ふわりと緩む恋人の表情にランピーは今度こそ口には出さなかったが、また綺麗だな。と恋人を見ながらふと思う。
その感情は美術品を見るその目ではない。無論、顔が整っているラッセルはきっと恋人じゃなくても綺麗だと思うのだろう。が、今、ランピーが抱いている感情の中には明らかに見た目だけではない感情がある。それがいわゆる恋人に抱く愛しさってやつなのだろう。食事をしていても、隣を歩いていても、テレビを見ていても、たとえ目の前に本人が居なくとも。彼の事を思うたびに、綺麗だと、可愛いと、愛おしいと。ランピーは強く思うのだろう。そう思い、そして同時に思う。
あー、抱きしめたい。キスしたい。いざベットで愛を育みたい!と。
言うまでもないが、そのような不健全な事をラッセルに言うと大抵「は?」という冷たい返事と共に何かしらの肉体的暴力が飛んでくる。ランピーからしたらその冷たい返事だけで精神的には傷つけられるのだが。
それでもクリスマスというのは不思議なもので、恋人たちを人を大胆にさせるのだ。
「ラッセル。」
呼ぶと当然恋人はこちらを向いてくれる。少し屈み愛おしい恋人の少し冷たい唇を自分の薄い唇をそっと重ねた。
見ずともわかる、恋人の固まる体。嗚呼、可愛いな。と思いながらもこの後果たして飛んでくるのはアッパーがそれともその冷たずぎるフックか。
しかし思っていた肉体的暴力は何時までもこない。おそるおそる唇を放せば少し驚いた恋人の顔。怒ってはないみたい。その事に安堵しながらそのままの体制で「ごめんね?」と謝ると恋人は何時もの顔に戻った。肉体的暴力はないがやはり暴言ぐらいは吐かれるだろうな。と思いながら恋人の言葉を待った。しかし恋人が発した言葉は暴言ではなかった。
「何で謝るんだ?」
その言葉に今度はこちらが驚く。いつもの顔に戻ったように見えたが、そんなこと無いのかもしれない。やはりどこかおかしい。じゃないとこんなに恋人が恋人らしくなる何て、ありえない。
「えっと……外でキスしたから。」
「まぁ、デートだしな。」
「いやいやいや、いつもは嫌がるじゃない。」
「周りがしてるんだ、今日ぐらいさ、気持ち悪いホモだ。まぁ、クリスマスだから仕方ねぇな。ぐらいで許してもらえるんじゃねーのかな。」
そう言って恋人はポケットの中でつながれている左手で甘えてくる。もっとを言うのならば自分の手に絡めてくる。そんなことをして我慢がきく彼氏がいるのだろうか。いや、両方とも彼氏なのだけども。
心臓が恥ずかしいくらいにバクバクうるさい。どんだけ餓鬼なんだよ。自分。と思いながらも頬が赤くなるのは止められない。火が出そうなんてもんじゃない。全身発火して死んでしまいそうだ。
絡められていた右手が突然下に引かれる。従うように体も下へ行き今度は恋人からキスをされる。自分のよりも柔らかい唇で塞がれてしまう。嗚呼、後ろからの視線が痛いな。何て思いながら目の前の顔を見る。長い睫。愛おしいって心から思う。
ゆっくりと離される恋人の唇が恋しい。平然を装いながら言葉を探す。
「どうしたの?大胆じゃない。」
「クリスマスだから大目に見てくれ。」
そう言われながら、左手の力を強められる。
今日はものすごく積極的じゃないか……。とランピーはにやける頬を必死に抑えながら思った。
そんな甘い雰囲気の二人に周りの視線がいよいよ心地悪い。「どこか行こうか。」と提案したランピーにラッセルは「ヘタレが。」と言いながらもそれに素直に従った。
「どこに行く?」
「夕食の材料はもうすでに買ってんだよな。だから……海行こうぜ。」
結局いつもと一緒じゃないか。と二人で笑いあいながら電飾で飾られた場所から離れる。
次第にクリスマスムードではなく、冬。に染まっていく道を進んでいく。雪が降ってないのが救いだろうか。それでも十二分に寒い。そこに潮風が吹くのだから、見栄にも「寒くない。」とは言えない。それでも、繋がれた手があったかいのでロマンチックなことを言うなら心はあったかいってやつなのだ。
「海はなぁ、クリスマス何て関係ないよな。」
「そうだねぇ。電飾も何にもないよね。」
「そこが良いんだけどな。」という、恋人の髪は潮風に吹かれてなびく。結ばれていない分今日は恋人の髪が風の流れのまま踊る。何処の女優だよ。と言いたくなるその横顔に自然と頬は緩む。
「いいなぁ、海って。」
「綺麗?」
「人口の光よりは、な。」
海に釘づけな恋人とは違い、やはりランピーの視線はラッセルに注がれていた。たとえ今日がクリスマスじゃなくても。好きだ。なんて何回言えばこの恋人は信じてくれるのだろう。何回言えばこの男の心に自分の言葉は芯まで染みていくのだろう。いつだってそうなのだ。ランピーが心の内のまだ桃色の綺麗な初々しいところを晒そうが、彼はそれを幾度と使った味の薄いティーパックの様にしか思っていないのだ。
「女だったらな。」何て彼の口から聞いた時、怒りと共に伝わらない愛情の行き場を探したのだ。その時は、何とも言えずただ暴力的な愛をぶつけたものだ。そのころと比べれば今は随分と丸くなったというか、愛の伝え方を知った気がした。つまりは自分は何時までも餓鬼だった。という話だ。
「お前今感傷に浸っているだろう?」
「ええ?」
突然かけられた言葉に、言葉が詰まる。その通り。何てなかなか言えないものだ。感傷になんて浸るような人間ではなかった。そう、昔は。人は恋したら変わるなんてよく言うものだ。
「海は感傷に浸るためにあるんじゃねぇんだぜ。」
「浸ってないさ、思い出してただけ。」
「それを感傷に浸るって言うんだ。」
そう言う恋人の顔こそ感傷に浸るそれだった。海賊をしていた彼がこの町でクリスマスを迎えるのは何年目だろう。彼と会ったの何て恋をしてからしか正確に覚えてない。海を見に行くたびに、彼がどこかに行ってしまいそうで怖い。そんなことを彼に言えば馬鹿にしたように笑って「どこにも行くわけがない。」なんて言うのだ。元の姿の彼からその言葉が聞けたら満足なのだ。そうでない彼からの言葉など、自分の前では諦めにしか聞こえなかった。このことが、恋人の言う「女だったらな。」なんだろうなとランピーは思った。
ラッセルは海が好きだった。ランピーはラッセルが好きなのだ。だから海にくる。海には悪いが、ラッセルをどこかにやしてしまう物のどこを好きになろうか。それでも海がラッセルをよこしたことには違いないのだ。
「複雑な乙女心。ってやつなんだろうな。」
「誰が乙女だ。」
ラッセルの不自由な足が砂浜を踏む。雪と塩水、それと貝殻と木材やらなんやらを含んだ地面。波打つ浜をラッセルが不器用に歩く。その彼を支えながらランピーもその後を追う。
「今日はつりをしないよね?」
「当然だ。」
冗談を言い合いながら浜を歩く。砂を踏む音と、波の音。そしてラッセルの髪がなびく音が耳に余韻を残す。今頃町はベルの音を響かしているのだろうか。
「そろそろ暗くなってきたね。」
「日が落ちるのもはやいわな。」
真正面から沈む赤い夕陽を見る。ラッセルの髪が赤みを帯びる。彼のきれいな青を基調とした髪。その髪に夕日の赤が反射するように、染みわたる様に絡みついていく。潮風に吹かれ彼の髪は重力という枷を忘れ自由になびく。その一束が、毛先が一つの存在だといのに決して孤独にはなびかない。
ただ髪がなびく。それだけの光景にランピーは目を奪われた。夕日にでも無く、それが反射した海でもなく、赤く染まる雪でも砂浜でもない。紛れもないラッセルという男に目を奪われたのだ。
彼が髪を抑えその枷を再度かけるその仕草にまでランピーは息をするのを忘れるほどの感動を得た。その視線に気づいたラッセルがこちらを向く。その透き通るような瞳につい、いやわかっていながらランピーは息するように言った。
「綺麗だ。」
「そうだな、人口の光じゃねーから。」
「そっちじゃないよ。」
勘違いする恋人の肩を掴む。優しく、それでも情熱的にキスをする。
驚きもしない恋人。それに彼もしたかったのでは?と自分の都合のいいように考える自分は本当にお気楽な人間だと思う。熱を分けるように冷たい彼の唇に自分のそれを押し付ければ彼はそれを拒むことなく受け、自らの熱いその舌を彼の小さく赤い舌を求むように絡ませれば、彼はそれ以上のものをくれる。今日はどうしても我慢したくない。それはクリスマスのせいなんだろうな。って思いながら。しかし心のどこかでは気づいていた。それがクリスマスとかっこづけたただの言い逃れだと。いつだって彼に愛を伝えたいと心の中ではずっと思っているというのに。
「情熱的だな。」
離された唇がお互いのそれを引き、そして離れた。湿った唇は外の空気でひんやりとする。それを感じると、嗚呼離れたくない。などと女々しいことを思うのだ。
頬を赤くさせた恋人にやさしく問う。
「うん。嫌い?」
「思ってもねぇこと聞くなよ。」
コツンと合わされるおでこ。そこから彼の熱が伝わる様だった。あったかい彼の肌と、冷たい彼の赤みを帯びた髪。その髪は夕日の熱を含んでいながらも彼の青みに完全に溶け込む事は出来ず、表面上の赤みはけっして熱を帯びることはなかった。
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「はー。ぬきぃ!」
暖炉の前で赤くなった手を元の色に戻しながらラッセルは笑った。自分も外の冷たい空気で固まった頬を溶かす。ピシピシと音がしそうなほど頬が痛い。ラッセルの右手に目をやる。冷たくなったであろうその義手に手を伸ばした。ラッセルの前に膝まづいて彼のその義手を外す。
「痛くない?筋肉張ったりとかしてない?」
「んー、そんなにひどくねぇよ。」
されるがまま、ラッセルは義手を外させてくれる。一回、彼の右手に巻かれた包帯を全てとり、仄かに暖炉の熱を帯びたそのフックに手をやる。今日一日外に出っ放しだったその義手は掴めばまだ芯に冷たさを帯びていた。こんなのをずっとつけていたら冷たいに決まっている。なんでもう少し早く気付いてやれなかったかな。と自分を責めるが彼の痛くなった腕はこんな事では戻りはしないことを知っている。その不満が顔に出ないように努めて明るく彼の腕に再度包帯を巻いた。
傷跡がまだ残る彼の右手。その右手の傷は、美しい彼にはけっして似合わない。そう何度思っても当然ながらその傷は彼の腕からは消えることはない。故にその傷すらも愛おしいと思うしか、自分には彼の腕についた不純物質を愛すことが出来ない。
その傷に触れるだけのキスを落とせばそこから彼の体を蝕む悪いものを取り除けるとまで思えた。その行為にラッセルは顔をしかめた。
「何してんだよ。」
「おまじない。」
そう言って今度こそ包帯を巻く作業にかかる。この作業も手馴れてしまった。それは自分が医者を始めてからなのか、それとも彼の包帯を巻くようになってからなのか。包帯の隙間からけっして彼の評価を下げる傷が見えないように、慎重に包帯を巻いていく。
キュッと端と端を結べば完成だ。にこっと(ラッセルから言わせればにへらと)笑えば、ラッセルは「あんがと。」と言って恥ずかしそうに笑った。
「下もした方がいい?」
「いや、下はしなくても大丈夫。それに飯も作んなきゃだしな。」
そう言って立ち上がるラッセルの左手に目をやる。もう元の色に戻ったようだ。自分の頬に手をやる。もう痛く無いようだ。キッチンの方に向かうラッセルを見ながら火が弱くなってきた暖炉に薪をくべた。
キッチンの方からラッセルが呼ぶ。
「なぁ、パスタどこにしまった?」
「あー……そこじゃなくて。」
キッチンに立つ愛しい恋人の背中にそう言いながら自分もそこへ行く。
幸せだ。心からそう思う。
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形だけの祈りを捧げて目の前のご飯を食べた。
「今年一年で一番驚いたのは自分の料理の腕がここまで上がったことだな。」
「そうだね。メキメキ上がったよね。」
食後のクリスマスケーキを食べながらラッセルの言葉に首を縦に振った。
甘さ控えめのケーキはラッセルの手作りだ。前はどんなに頼んでもクッキーすら作ってくれなかったというのに、今ではクリスマスケーキまで手作りなのだから驚くしかない。本当に皆に「良い奥さんでしょ〜!」と自慢をしたいところだ。(絶対したら怒られるけど。)値段が高いイチゴは乗ってない。代わりに他の果物が使われている。「うまいうまい。」と食べる自分にラッセルは相槌を打ちながらおかわりの珈琲を注いでくれる。
「今年はサンタのバイトいいのか?」
「んー……いいね。今年はヒーロー組がしてくれるんだって。」
「暇かよ。」
「暇なんだよ。」
そう言ってまたパクリとケーキを口の中に放り込んだら、その自分好みの甘さにうっとりする。しっとりとした生地にふんわりとした生クリームが絶妙に合う。先ほどかなりの量のごはんを食べたけども、甘いものは別腹というやつなんだろう。フォークが進む。むしろ止まらない。そんな自分を優しい目で見るラッセルに気付きケーキを頬張りながら首をかしげると笑われてしまった。
「何?」
「いんや、美味しそうに食べるからさ。」
「美味しいからね。」
「そりゃ何よりだ。」
そう言って既にケーキを食べ終えたラッセルは珈琲をゆっくりとたしなんでいる。ちなみに自分はケーキ二切れ目だ。
二人だけの部屋。遠くの方から鈴の音が聞こえる。電飾も何も飾っていない自分の庭は真っ暗だ。なんとなくで飾っているツリーは暖炉の赤みを帯びている。その光が映った珈琲はまるで熱までうつったかのように暖かかった。
「なぁ、ランピー。」
「ん?」
その暖炉に目をやりながらラッセルがぽつりと言った感じに話しかけてきた。
彼の右目に付けられた眼帯は今は外されており、そこは聖域の様に髪によって隠されていた。左目は暖炉の熱を帯びて赤くなっていた。そこを触っても決して熱など感じてなどいないのだろうけど。
「今年さ、なんで俺とクリスマス過ごしてくれたんだ。」
顔はこちらに向けられていない。でも、声は自分にガツンッとぶつかったようだった。こちらを向かないラッセルに言う。彼にちゃんと言葉がぶつかり、言葉が彼の心の中に染みる様に言った。
「そうだねぇ。過ごしたかったんだよ。ラッセルと。」
この言葉に決して嘘は含まれていない。本当に彼とクリスマスを過ごしたかったのだ。クリスマスどころではない、余生だって彼と過ごしたかった。その言葉を言うには、まだ彼に伝えきれてない愛がありすぎる。だから、もどかしいけど一つ一つの愛を告げるしかない。
伝わればいいと思いながらラッセルを見る。いつの間にか彼の整った顔はこちらを向いていた。
「それだけか。」
「そうだね。それだけ。」
二人の間の隙間がもどかしく感じた。彼もそう思ったのだろう。いつもの定位置のソファからこちらに来た。
お皿を置いて彼の細い体を抱きしめた。折れないように、これ以上壊れないように。慎重に。それでも強く。腕の中でラッセルが自分の頭に顔を埋めながら笑う。
「あー……。そんなことをいうお前が可愛いわ。」
「えへへ。可愛い何てこの歳で言われるとは思いもしなかったよ。」
そう言って自然にお互い顔を見合わせてキスをした。
愛しい恋人が「ランピー。」と呼ぶ。
なぁに?と言葉を漏らさないように彼の口元に近づいた。
彼は幸せな顔で言った。
「ハッピー……クリスマス。」
そう言ってふわりと笑うラッセル。 その言葉で世界は輝く。幸せだって愛だって、ラッセルからもらえたものは世界をこんなにも変える。こんなに幸せなことがあろうか。愛が止まらないうちに言葉を囁いた。
「ハッピークリスマス……ラッセル。」
愛おしい恋人を腕の中に抱いてそう言えば、満足そうに恋人は目をつむった。
H28 12月25日
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