別に落胆の声を漏らすほどでもないのは自分がよく知っている。シガーキスが何だってんだ。別にキスしてねぇし。興味ねぇよ。

と思うもあ、これ悲しいヤツだ。という結論に至り覚醒はゆっくり煙を吐いた。

火を貰った軍人はそんな事を気にもせずスパスパタバコを美味しそうに吸っている。

毒の味ってやつは案外上手いね。何てこないだ抜かしていた。それを毒と知って吸うのだから知識なんて枷にもならないって事だろう。

早死しちまえ。なんて思ってこないだそういえば死んだな。と思い出し言葉を飲み込んだ。

つまらなそうにしてたのか、はたまた何となくなのか軍人はどうしたの?っと聞いてきた。煙草を指ではさみ言葉を続けようとして___

倒れ込む。目の前にはアイツの目が合って、そんで言葉を吐き出せなかった口は優しくも確かに重なり合っていた。

煙草の匂いに交じるアイツの匂い。自分の匂いのハズなのにこうも心地よい。

「キス……したかったの?」
「いや、シガーキスがしたかった。」

そう。と、言うとまだ煙草を咥えて言った。
「じゃあ、次の時はしようか。」
「ん。」

体に煙を馴染ませる。

嗚呼美味しい。


2016/06/15

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