噛んで噛んで飲み込む。
喉を通る感触が気持ち良くて、気付いたら息を吸う隙間が出来ないほど大きな物を飲み込んでいた。
痛いような気持ちいい様なその感じが堪らなくでも苦しいともがくのは止められなくて。

「君はバカか。」
「ごめんってー。怒らないでよー、スニフに呆れられたら嫌だよ。」
「なら、僕が呆れる様な事をするな。」

そう言ってスニフはため息をついた。又スニフは僕に呆れた。
んー、嫌だなぁ。スニフがそんな態度を取るのが、気に入らない。
「ねぇー、スニフ。」
「何。」
「もしさ、自分のしたい事が出来なかったらどうする?」

僕がこんな話をするなんて思ってもみなかったのだろう。
目をぱちくりしてたが、やがていつも道理に戻って、だとえば?と聞いた。

「実験、研究、発明、ヒーローのストーカー。」
「あれはストーカーじゃない。」
「そ。で、どう?」

んー。と少し唸って

「僕に害があるなら止めるよ。」

やっぱり僕はスニフとは違った。僕には我慢出来ないもの。

「僕とは全く違うね。我慢出来ないもん。」
「我慢出来ないことならあるよ。」
「何?」

突然頬に手を添えられ生暖かいそれが唇を舐めた。

「意味がないと知ってる。寧ろ害しか無いんじゃ無いかな?繁殖って考えにおもいっきり反してるよ。」
「なら何で。」

重ねられたそれが不思議で目を閉じて必死なスニフが可愛かった。

「麻薬と一緒さ。」
「成る程。」

そのまま倒される。
このままスニフにぱくぱくされちゃうんだね。

「あ、そうだ。」

スニフが思い出した様に言った。

「今度からはしっかり噛んでから飲み込む様に。」
「ぱくぱくしてスニフも、食べ過ぎ駄目だよ?」

跨がっているスニフは眼鏡を外しながら言った。

「善処するよ。」




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