出会いと別れ 1
″アラジン″突然村に現れたその不思議な少年はルフを見ることができ、首からさげた笛には不思議な力が宿っている。自分と同じように拾われ、おまけにルフも見える年もそう変わらないその少年にリシュリは興味津々だった。
「やあおねいさん」
「…どうも」
皆で火を囲んでの賑やかな夕食の席でなんと好都合彼の方からリシュリに声をかけてきてくれた。
「おねいさんの髪、とってもきれいで珍しい色をしているね。この村の人じゃないのかな?」
「……そう。リシュリも同じ、アラジンと。拾われて来た、外から」
「そうかい。じゃあ僕と同じだね」
「…違う」
「え?どうして……」
「アラジンはちゃんと覚えてる。何処から来たのか、友達の事、覚えてる。でもリシュリは知らない昔のこと、友達のこと、自分のことなのに何も
だから同じじゃないよ」
「…そう、かい。ごめんね知らなかったとはいえ嫌な話を……」
寂しそうな顔でうつむくアラジンにリシュリは慌てててを横に振った。違う。一緒じゃないからどうだとかそんなことを伝えたいんじゃない
「ちが!そうじゃなくて…えと
たしかにリシュリとアラジン違う。でもアラジンもうこの村の家族リシュリとも家族だよ」
「…!そうだね」
嬉しそうに笑うアラジンの顔をみて思わずリシュリも笑顔をこぼした。
「僕おねいさんともっとお話ししたいな。君のことをもっと知りたいんだ」
「リシュリも……でも、そのおねいさんって呼び方は嫌。かえて」
「うーんじゃあ、リシュリさん?」
「……」
「そんなに嫌かい……」
ムスッとした顔で無言で訴えかけてくるリシュリにアラジンは困った顔をした。
「んーじゃあリシュリ…ちゃん?」
「…それなら」
「じゃあ改めて…リシュリちゃん僕は君の事もこの村の事も沢山知りたいんだ。教えてくれる?」
「勿論。でもリシュリも知りたいアラジンの事、外の事沢山。だからアラジンも教てね、いっぱい」
お互いに聞きたいことは山ほどある。二人の楽しい晩餐はまだまだ終わりそうにない
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