先輩後輩
「伏見先輩、書類上がりました」
「ん」


終わった書類を先輩に渡して時計を見る。もう残業して3時間は経っていた。


うーん…先に帰っていいのかな?


「チッ、神田」
「はい」
「後少しだからもうちょっと待ってろ」
「あ、はい」


どうやら私の考えなんて先輩にはお見通しのようだ。


それにしても待ってろって…帰る方向逆なのに待ってる必要が何処にあるんだろう?


そんな事を考えながら先輩を眺める。綺麗な顔立ち。ちゃんと食べてるのかな、なんて思うほどに細い体。


たまに先輩が怖くなる時がある。ふらふらしていて、いつか赤に戻ってしまうんじゃないかと思ってしまう。そんな事は無いだろうけど…。


先輩は私の視線に気づかず画面に集中している。


「終わった」
「室長の所に提出しますか?」
「それは明日でいい。」


先輩は手早く荷物を方ずけ出した。それを見て私も荷物を持ち直す。


証明を消して部屋を出る。私は先輩の1歩後ろを歩く。


無言で門のところまで来た。ここで私は右、先輩は左に曲がる。


「伏見先輩、じゃあ私はここで。お疲れ様でした」
「は?」
「え?」


先輩が信じられないとでも言いたげな目でこちらを見てくる。てゆうか虫ケラを見る目?


なんだよ失礼だな。私なんかおかしな事言ったかな?


「チッ、もう遅いだろ」
「えぇ、まぁ遅い時間ですね」
「今日は泊まってけ」
「え!?何処にですか!?」


何と無くわかるけど、分かるけど聞いてみる。


「チッ、分かってんだろ。俺の家だよ」
「なっ!?そ、そんなの「良いから来い」
「ぅわっ!?」


痺れを切らした先輩に手を引かれる。


て、てゆうか、と、泊まるってそんな急に言われても!


「先輩!あ、あのそんな急に言われても私」
「別に問題は無いだろ。お前の服は何着かあるし」
「そ、れは…まぁそうですけどでも「日向」
「っ!」
「俺が泊まれって言ってんだから泊まれ」


有無を言わさない視線が、先輩後輩では無く、恋人の時にしか呼ばない名前が、私にyesしか言わせない。


「…っ、自己中」
「チッ、覚えてろよ」
「ふん」


そうやってまた、貴方は私を虜にする。
















(てかさ、やたら私に仕事押し付けてたのって)
(チッ)
(やっぱり)






…文章力ください


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