死ぬまでのノルマ
「人が死ぬのって、どうしてだと思う?」


ふと疑問に思ったことを、目の前で忙しく書類を方してる礼司に問うてみる。


「何です急に」


すると案の定怪訝な顔をされた。それもそうか。


「ごめんごめん。いきなり変なこと聞いたね。ちょっと気になっただけだから」


そう言って仕事の邪魔をしないように大人しくした。でも頭の中では疑問がぐるぐると思考回路を支配してる。


まず死ぬにも種類がある。死にたくないのに死ぬのと望んで死ぬの、それから時がきて死ぬのだ。


どれが一番幸せかといったらそれはもちろん時がきて死ぬのだろう。死にたくないのに死んだら未練が残る。


「…うーん」
「はぁ、」


私が一人思案しながら唸っているのに気づいたのか、礼司がため息をついてこっちを見た。


煩かったのだろうか。


「人が死ぬのは自然の摂理です。何で死ぬのか、ではなく死ぬまでに何をしておきたいかを考えた方がいいでしょう」


貴方は何時も考える場所がずれてる、と呆れ返った声で言われた。


そうか、と言われて気づく。何故死ぬのか、なて神のみぞしることであって私が考えた所でわかるはずないんだ。


「ふふふ、礼司は賢いね〜」
「貴方が馬鹿なんです」
「ちょ、酷い」




____私が、死ぬまでにしたいこと。


そう思って真っ先に思い浮かぶのは一つしかなくて。


「ねぇねぇ、礼司」
「何です」


もう仕事をさせてくれ、と物語る表情を見据えて



「私は死ぬまでに礼司と結婚して子供が欲しいな」


極上の笑顔でそう言った。












(…っプロポーズは男性がするものです)
(良いじゃん)
(はぁ、すぐに結婚はできませんが子供を産む過程の大事な事はできますよ)
(えっ!?ちょ、仕事は!?やめっくんな!)
title by Samsara



…宗像さんも照れると思うのです。


prev next
back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -