頑張ってる君に束の間の休息を
それは、もしかしたら始めて見た光景かもしれない。


「ふ、伏見先輩が…寝てる?」


そう、今間抜け面でたっている私の前のソファーには男の人にしては長い睫毛を伏せて、惚れ惚れするような顔で眠っている伏見先輩がいる。


何時も仕事が終われば即帰宅。残業したって仮眠も取らない。そんな伏見先輩が寝ているのだ。


伏見先輩だって人間なのだから寝る事なんて当たり前なんだけど、こんな公共の場もといセプター4おかかえの救護室で無防備に寝ているところなんて見たことがなかった。


私は、珍しい伏見先輩の寝顔に少なからず舞い上がっていた。


ちょっと写真でも撮ろうかな…なんて考えてたら、私が救護室へ来た理由を思い出した。


『伏見くんを知りませんか?書類に記入漏れがあったのですが…』


と室長が訪ねて来たので、その場に居合わせた私が探しに来たのだ。という事は私は先輩を起こして連れていかなければならないわけだが


こんな珍しい光景を前にしてそれをあっさり潰すような馬鹿野郎が何処にいる。いるなら連れて来てほんとに、今すぐ。


それに良く見たら先輩の目の下には薄っすらと隈ができてる。相当疲れていたみたいだ。


「はぁ…」


何もかけずに寝てる先輩に毛布をかけて、私は部屋を後にした。


さて、室長にどうやって誤魔化そうか












(伏見くんは居ましたか?)
(あー、全然見つかりませんでしたー)
(…へぇ)
((あ、これバレてるわ))



…ただ伏見さんに寝て欲しかっただけです。


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