ありふれた非日常A
尊さんに連れてこられた所は、とても暖かくて、とても幸せなところだった。


私がストレインだと優しく説明してくれた草薙さん。私をみると顔を真っ赤にする八田くん。いつもお菓子をくれる鎌本くん。それから、いつも無愛想ながらも気にかけてくれる尊さん。


私はまた、暖かい日の光の下で生活出来た。


「尊さん尊さん」
「…」


呼びかけると返事は無いけどこちらを向いてくれることに顔が綻ぶ。


「どうですか今日の服装!昨日買ってみたんです」
「…どうって」
「あー日向ちゃん諦め〜、尊はそうゆうのには疎いんや、期待するだけ損やで」


私の質問に明らかに怪訝な顔をした尊さん。草薙さんのいう事は本当らしい。


でも私は尊さんにどうか言ってもらうまで引く気はない。


「尊さんこれみて可愛いとか思いますか?ぎゅーってしたくなりますか?むらむらしますか?」
「はっ!?日向ちゃんむらむらて…!」
「…別に」


うーん。作戦失敗。


「そうですか、残念です」


そう言って外に出ようとする私に尊さんは視線をそらしたままこう言った。


「外でんなら着替えてから行け」









(…尊)
(んだよ)
(お前も不器用なやつやなぁ)
(…)



…さりげない尊さんが好き


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