ツンとデレ
猿比古ってさ、ツンデレだと私は思う。


何故か…って聞かれると具体例をあげるのは難しいんだけど直感…というか雰囲気というか…まぁ、ともかくツンデレだと思うのだ。


本人に言っても舌打ちと小さな罵倒の言葉が帰ってくるのだろうけど。


「日向」


噂をすれば影が差す、とはまさにその通りらしい。目の前にはいつの間にか猿比古が立っていた。


「お前仕事は終わったんだよな」
「うん、そうだよ」
「じゃあこれ追加な」


そう言った猿比古の手元に視線を移せば、手に持っていたのは気が遠くなるほどの書類の束。


「えぇ!?今やっと終わって一息ついた所なのに!」
「チッ、つべこべ言ってねーで早くしろ」
「うわぁ!」


そう言って書類を私に押し付けた。なんという奴だ彼女に対する扱いではないぞ!


「まったくもう」
「チッ」


今だぶつぶついう私を一瞥して猿比古は


「早く終わらして俺の家で飯食うぞ」


そう少し赤い顔で言った。









(ほらやっぱり)
(ツンデレだ)




…伏見さんは絶対ツンデレだと思うのだよ


prev next
back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -