素敵な場所へご案内









「白龍皇子ー!!」


真昼間の蒸し暑い日差しの下をバタバタ愛しの主人を目指して走る。見つけたところではしたないと叱られるのは目に見えているが、そんな事は気にしてられない。


「白龍皇子ー!白龍皇子何処ですかー!白龍皇子ー!はくりゅ「うるさいぞ日向!」


ひっ!


走っていた前にあるドアが急に開いて、中から白龍皇子が出てきた。


あぁん、今日も麗しいです!


「白龍皇子!やっと見つけましたよ!」
「ああそうだな、城中響いてただろうな!まったく…」


白龍皇子は頭を抱えて唸った。ああ、そのお姿でさえお美しい!


私は白龍皇子のそのお美しい瞬間を網膜に焼き付けようと凝視した。


…ってハッ!見惚れてる場合ではない!私の目的を果たさねば!


「白龍皇子!お勉強はもう終わりましたよね!?」
「あぁ、今から部屋に戻ろうと思っていた矢先にお前の声を聞いて呆れていたところだ」
「はぁん!てことは私のことで頭がいっぱいになっていたのですね!?この日向!一生分の幸せ!」


今なら死ねる!


…って違う違う。そうじゃなくて


「では白龍皇子!参りましょう!」
「いや待て、どの話の流れでそうなった!だいたいついて行くだなんて言った覚えはないぞ」


そういって白龍皇子は歩き出す私の方をがっちり掴んだ。


あ、ああああああ!手が、手が、手があああああ!白龍皇子のまるでビロードの様な手が私の肩に!ああああああ!


「おい!」
「あっ、はい!実はですね、先程仕事を夏黄文に押し付けて散歩をして居たところ、とっても綺麗な御花畑を見つけまして、これは白龍皇子にもお見せしないと!と思いました次第で有ります!」


仕事を押し付けての所で、まったくお前は…と飽きれていた白龍皇子だが、御花畑と聞くと少しだけ眉をピクッとさせた。


私はそれに内心しめしめと思い、話し終えてからビシっと敬礼しながら白龍皇子の様子を伺った。


「では!白龍皇子!参りましょう!」
「…はぁ、行かないで騒がれるのも面倒くさいからな」



ふふ、ツンデレな白龍皇子も素敵ですね!












(綺麗ですねぇ)
(…そうだな)
(ふふふふふ)









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