拾われた時







私はもともと煌帝国の遊女、それからそれから皇帝との間に生まれた皇女という身分にある。


でも母は私が禁城に入っても良いことなんて無いと言って私を逃がした。国に、本当の私を知る者はもうこの世には居ない。


それから私は船に乗り、どこか分からない異国で身を潜めながら唄で稼ぎながら生きてきた。


そんなある日、私が身を潜めている一角にある盗賊が襲って来た。怖くて、逃げられなくて、でも死にたくなくて


だから私は隙をついて盗賊の下っ端から剣を奪い、立ち向かった。勿論女の力で倒せる人数なんてしれていて、すぐに取り押さえられた。


ああ、私死ぬのかな。


なんて思った私の耳に聞こえて来たのは盗賊たちの断末魔。目を塞がれていた布が取り払われて、急に入って来た光に目を細めた私の視界に入って来た鮮やかな紅。


「お前面白いね〜、女なのに盗賊に立ち向かうなんて馬鹿〜?でも僕、そうゆうの嫌いじゃないよ」


そう言って拾ってくれた貴方の顔は、今でも胸に焼き付いてます。












(こ、紅覇様!?何をしていらっしゃるのですか!?)
(ただの水遊びだよ〜お前は心配性だね〜)
(そう思うなら心配かけないでくださいよ!)








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