たまには





鳥がちゅんちゅんとさえずりする良い天気の今日。私はお城の廊下の窓から庭を眺めていた。


「シン!シン!」


そこでは、ジャーファルが必死に怠け者の主、シンドバッドを探していた。


もうこんな光景は日常茶飯事で、逆に見ない日は何かあったのかな、なんて思ってしまう。


本人には悪いけどこの微笑ましい光景を見るのが私の些細な楽しみだったりもする。


「あ、フィリア!丁度良い、シンを見ませんでしたか?」


何時もならここで知らないと言ってジャーファルを困らせるところだけど、最近のジャーファルは少し頑張りすぎだ。


「うん、知ってるよ」
「っ!本当ですか!?それは良かった…何処です?」
「教えない」
「えぇ!?」
「ふふっ、そんなに驚かないでよ」
「そりゃ驚きますよ!勿体ぶってないで教えてくださいよ!」
「駄目。ジャーファル、貴方最近ろくに寝てないでしょ」
「っ!それとこれとは関係ないでしょう」


話をそらそうとするジャーファル。でも、聞こえないふり。


「うん。だからね、私がシンドバッド様に仕事させるからさ?ジャーファルは部屋に戻って寝て?」
「なっ!?何をバカな事を「馬鹿はそっちだよ、いつか倒れちゃうよ?」
「…そんな事は、「無くないでしょ」
「…」


黙り込むジャーファル。沈黙は肯定だ。


「私が責任持ってジャーファルの分も仕事しとくから、ね?」
「はぁ…貴方が、そこまで言うなら…しょうがないですね」
「ふふっ、うん、しょうがない」


私の意見を通さないと折れない性格を知っているジャーファルはあっさりと折れた。


「はぁ…ではよろしく頼みましたよ」
「頼まれました」


去って行くジャーファルの背を見つめる。角を曲がる寸前、こちらをちらりと見た。


「フィリア、夜私の部屋へ来てください。何かお礼をします」
「あ、うん」


去り際にジャーファルがいう。


一体どんなお礼をしてくれるのか。はやる気持ちを抑えて、大きく深呼吸。


「さて、怠け者の王様に、ジャーファルを疲れされたお返しでもするとしますか」

















(いつも頑張りすぎのジャーファル)
(たまには、お休みも必要でしょ?)




…ぐだぐた。押しに弱いジャーファル美味しいです。





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