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パーティーの告白 [ 10/45 ]

***(ヒロイン視点)


スラグ『クラブ』というくらいだからそんなに参加人数もいないのかと思っていたけど、どうもそうじゃないらしい。

スラグクラブにはホグワーツ生徒の他に魔法界で有名な人達も参加しているようで、初めてパーティーに出席したらしいセブルスも顔にこそあまり出ていないけど『あれは…リトロ・ファンキング!?』とか呟きながら静かに興奮していた。(魔法薬学の世界では有名な人らしいけど、生憎わたしが知るはずもない)


「やあやあ、Ms.ユキシロ!パーティーに参加してくれて光栄だ。実に見目麗しく、目の保養になるというものだよ。Mr.スネイプもよくぞ来てくれた。楽しんでくれたまえ」


セブルスと適当に話しながら楽しんでいると、ワイングラス片手に現れたスラグホーン先生がわたしに気付き、既に少し酔っているのか上機嫌で寄ってきた。


「あ、ありがとうございます…。あの、わたし特に成績が優秀なわけじゃないのですが参加して良かったんですか?」
「勿論だとも!君は確かに魔法薬学のセンスは皆無だが、呪文学においては今までに類を見ないほどの力の持ち主と聞いている。今回のパーティーだけとは言わず是非とも我がスラグクラブへ加入してほしいところだが…」
「…ご遠慮させていただきます」


魔法薬学のセンス皆無とかわたしが一番よく分かってますよーだ。

隣で小さく笑ったセブルスを睨みつけて、スラグホーン先生の誘いを断ると『ううむ、残念だ。気が変わったらいつでも声をかけてくれ』とこの場を去って行った。

気が変わることはないと思うなあ、とスラグホーン先生の背中を見ながら苦笑しているとパリン!と何かが割れる音が後ろで聞こえる。
セブルスと顔を見合わせて一緒に振り向くと、おめかししたレギュラスが口を手で覆った状態で立っていた。


「スズネ、先輩…ですか?」
「レギュラス!うん、そうだよ」
「〜…っ!!そのままジッとしていてください!あ、セブルス先輩は端に寄っててくださいね」
「な…っ!?」


ペイッとセブルスをどかしたレギュラスはどこからかカメラを取り出して、カシャカシャとわたしに向けてシャッターを切りまくり始める。

いつも思うけどレギュラスのセブルスに対する扱いって酷いなー。
まあ、なんやかんや仲良いんだろうし見てて面白いから良いんだけどさ。


「はあ…スズネ。とても綺麗です。僕はこんなに美しい人、生まれて初めて見ました」
「そんなお世辞言ってもお菓子しか作ってあげられないよ」
「お世辞ではありませんし、スズネ先輩のお菓子は食べたいです」
「あはは!うん、でも嬉しいよ。ありがとう、レギュラス」


まだわたしより少しだけ背の低いレギュラスの頭をくしゃりと撫でる。
レギュラスって弟みたいで何でか可愛がっちゃうんだよね。

『子ども扱いしないでください』と頬を膨らませたレギュラスを微笑ましく思っていると、いきなりグッと強い力で腕を引かれた。


「ん、セブルス?」
「…行くぞ」


セブルスの表情は見えなかったけど、その声はいつもより低い。
チラリと見えたセブルスの表情は、やっぱり良いものではなくて。

眉間にグッと皺を寄せて、何かを堪えているようなそんな表情。

その様子に戸惑いながらもセブルスに手を引かれてその場を離れるとき、ふと後ろを振り返ってレギュラスを見ればやれやれと肩を竦めて困ったように笑いながらヒラヒラと手を振っていた。



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