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05




白ひげ海賊団に世話になってる間、俺は自分のナギナギの実の能力をもっとちゃんと調べてみることにした。

白ひげのクルー達に色々とアドバイスをもらいながら検証してるうちに、ナギナギの能力はただ音を消せるだけじゃなく凪という名の風を操れることを発見した。

ナギナギは自然(ロギア)系の能力な訳ではないから、エースのように身体が炎に変わり銃弾が効かなくなったりとかそういうことは出来ないが。

だがナギナギの能力で風を操れるようになった俺は、凪やサイレントしか使えなかった頃と比べて自分でも分かるくらいに強くなった…と思いたい。

それからは白ひげ海賊団に世話になってる恩返しってのもあって、顔が分からないように隠しながら海軍たちとの戦闘にも参加してたんだけどよ…。


□ □ □



「そこでいつものドジが発動して、顔隠すのを忘れて戦闘に参加してしまった…と」
「…っごめんな。俺、手配書に乗るつもりなんざ無かった!ナマエ見つけたらとっととどっかの島でおまえと2人で暮らそうと思ってたんだよ…」


ロシナンテがわたしのことを後ろから抱き締めながらグズグズと鼻を鳴らしてそう語る。
とりあえず何でもいいからこの態勢どうにかならないかな…すごく見られてる。


「…あの、さ。手配書?に乗せられたら普通に生活するのはやっぱり厳しい感じなの?」
「そりゃそうよ!バッチリ顔だって写ってるし、賞金稼ぎにだって海軍にだって見つかったら命狙われるもの。陸に留まるよりは海に出た方が安全かもしれないわね」


ナミの言葉にうーんと唸る。

命を狙われる…Dead or Aliveっていうのはやっぱりそういう意味で、捕まるなら生死は問わないってこと。
…正直、ロシナンテが命を狙われる危険性との隣り合わせで普通の生活をしていくなんて嫌だ。


「わたしは…海賊になろうが何になろうが、ロシナンテへの危険が少しでも減るのならば何だっていいよ」
「なっ……!」
「ちなみに、わたしのことを考えてわたしだけでもどこか安全な島に…とか思ってたらそれ却下だから。わたしはロシナンテから離れる気は無いよ」


わたしの胸元に回っているロシナンテの腕をギュッと両手で掴んで小さく笑う。
サンジがポロッと口に咥えていたタバコを落とし、ナミは面白そうに口角を上げていた。

わたしを抱き締める力が強くなって苦しい。
肩にロシナンテの顔が埋まってきて、彼のフワフワな金髪が頬に触れて擽ったかった。


「どっちが女か分からないわね…。ナマエの彼、顔真っ赤よ?ふふっ」
「い、言うなよ…!」


ロシナンテの顔が見たいと思っても動けなくて、身を捩るとさらに腕の力が強くなる。


「…おまえ、戦えんのか?」
「ゾロ、」
「いつ死んでもおかしくねェぞ、海賊なんてのは。その海賊の船に乗るんだ、自分の身は自分で守れるくらいの強さがなきゃすぐ殺られる。俺らもナマエも、おまえの相方もな」


ゾロからの射抜くような視線にヒュッと息を呑んでしまうけど、彼の言ってることは最もだ。
俺が守るから心配すんな、とロシナンテはすぐに反論したけれどわたしはスッと立ち上がって握り拳を作った。


「わたし、こう見えてけっこう戦えるよ?」


ニッと笑えば、みんな目を点にする。
いや、唯一ルフィだけは楽しそうな表情のままで、ニシシ!っと笑っていた。