試作品 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

01




「何これ…」


朝起きたら、見たこともないようなグルグル模様の青くて小さな果物がテーブルの上に置いてありました。


□ □ □



ミョウジナマエ。25歳。独身。
運良く仕事が休みの日でゆっくりと目を覚ました朝、異変に気付いた午前10時のことだった。


「こんなの見たことないな…」


気になって二度寝もできない。
おもむろにスマホを取り出してパシャリと写真を1枚撮り、そのままウェブを開いて知恵袋に投稿。

『朝起きたら変な果物が置いてあったんですが、これって食べても問題ないやつですかね?』

写真付きで投稿したその質問には5分と待たずにすぐ回答がついてくれた。


「えーっと?…パイナップルみたい。新種かな?最近は意図して果物に模様をつけたり出来るらしいからその類かも。それにしても色が変だし食べられるか分からないから食べない方がいいかもね=c……ふむ」


結論から言うと、食べられるか食べられないか分からんから食べんなという何とも当たり前な内容の回答だ。

まあ、もしかしたら後に希少価値が出てきて高値で売れたりするかもしれないし。そしたらラッキーだし、冷凍保存でもしておこうか。それならちょっとやそっとじゃ腐らんでしょう。

ベッドから降りてキッチンに向かい、謎の果物をラップに巻いて冷凍庫へしまった。
その瞬間、バタン!!と何かが倒れるような大きな音が部屋から聴こえてきて、無意識に片眉が上がる。


「…今度は何なんだ」


溜め息は出るけど口角は上がる。
面倒事は好きじゃないけど、退屈しのぎになりそうなことなら大歓迎だからね。

首をポキポキと鳴らして欠伸を噛み殺し、ゆっくりとした歩みで自分の部屋へと向かった。