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17




アラバスタの宮殿に滞在して今日で3日目。
みんな早々に目を覚ましたというのに、肝心な船長のルフィは未だに目を覚ましていない。

チョッパー先輩と一緒にルフィの傷の具合を診たけど、ゾロと同じくらいかそれ以上の重症で…本当に生きてるのが不思議なくらいだった。


「ナマエ、次はこれだ!」
「はいよー。あ、この薬草はこの前読んだ本に載ってたやつだね」


チョッパー先輩の薬の調合の手伝いをしながらこっちの世界の医術を着々と吸収させてもらっていると、王宮直属の医者がチョッパー先輩の医術にとても興味を示したらしくわたしの座っていた席を取られてしまう。

んーまあ…致し方ない。王宮の医者にまで尊敬されるなんて、さすがはチョッパー先輩だ。


「ナマエさん、今日はコラソンさんと一緒じゃないのね」
「あ、ビビ。ロシナンテはゾロと鍛錬してるみたい。今朝になって何故か2人とも俺はもっと強くなるんだって口揃えて言って息巻いてた」


ロシナンテはさておき、ゾロは傷もまだ塞がってもいないのに無理するなと止めたんだけど彼の意思は揺るがなかった。傷口開いても知らないんだから。

スリスリとすり鉢で薬草を潰してそのことを思い出していたらまだ眠りこけているルフィが『肉〜…』と寝言を呟いて、思わずビビと顔を見合わせて笑った。


□ □ □



サンジとウソップが買い物から帰ってきて数分後。


「いやー!!よく寝たーーー…!!」


やっと、ルフィが目を覚ました。

1番酷い怪我を負ってたっていうのに、1番元気に目覚めたルフィには苦笑するしかない。
アワアワと朝メシと麦わら帽子を探すルフィに、ずっと大切に持っておいた帽子を彼に被せる。


「おはよう、ルフィ。わたしがちゃんと持ってたよ」
「おおー!ありがとなァ、ナマエ!」


ニッコリ笑って、それからガバッと両手を広げたルフィが近付いてくるもんだからそれにビックリして固まっていれば横から黒い足がスッと伸びてきた。


「おいコラ、くそゴム!ナマエさんに抱きつこうとしてんじゃねェ!!…ったく、油断も隙もありゃしねェ。それに朝メシじゃねェ今は夕方だ」


病み上がりのルフィを蹴り飛ばしたのはサンジで、それにチョッパー先輩が怒ったけど蹴られた本人はケロッとしていて『ハラ減った』と再び呟いている。

死んでもおかしくないような重症を負いながらも鍛錬に励んでしまっているゾロや、怪我をする前と何ら変わらない様子のルフィを見てて再認識。
……やっぱりこの世界の人達の身体って、絶対にわたしの世界の人達よりも丈夫に出来てるよね。


「おお、ルフィ。起きたのか」
「起きたのはいいが、何でそんなとこに吹っ飛ばされてんだ…?」

「おー!ゾロ、コラソン!久しぶり!!」


鍛錬から戻ってきたゾロとロシナンテの2人。
ロシナンテはわたしの隣にスッと腰を下ろし、わたしと顔を見合わせればふっと表情を緩ませた。


「お疲れ様、ロシナンテ」
「おう、ありがとな。…それにしてもゾロのやつ、あいつ凄いぞ」
「ん?凄いって何が?」
「何十キロもあるデカい岩をひとつずつ、両腕に乗せて筋トレしてやがった」


…ゾロって力持ちだなとは思ってたけど、そこまでいったらもうただの馬鹿力とは言い難い気がする。
もしかしたらゾロも、何か特別な能力を持ってたり?


「それ見る度に悔しくてな。俺も引けを取らないように頑張った!そしたら見ろ、けっこう筋肉ついただろ?」


ロシナンテはドヤ顔のまま服を捲り上げて、二の腕とお腹を見せてくる。

わー…確かに腕の筋肉も腹筋も鍛錬始める前より更にムキムキになったかも。でも、今よりもっと鍛えたらさすがにムキムキ過ぎるからこのくらいを維持するのがちょうどいいと思うなぁ。


「ナマエ…俺、カッコよくなったか?」
「ん。元々カッコいいけど、もっとカッコよくなった!あ、でも筋トレは程々に…ってちょっと?」
「あー…幸せ。俺のナマエも可愛いし綺麗だ、愛して…ぶへっ!?」


わたしをギュッと抱き締めてきたロシナンテに少し息苦しくなっていたら、さっきのルフィみたいにロシナンテが吹っ飛んでいった。


「イチャついてんじゃないわよ。フン!」
「あ、はは…。ごめんね、ナミ」


ナミの張り手が実は1番強いんじゃ…?