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02




ルフィたちが釣り上げたというオカマの人は、悪魔の実の能力者でマネマネの実を食べたらしい。
手で触れただけで同じ顔、そして声も身体も同じになれる能力でそれを楽しそうにみんなに披露していた。

悪魔の実の能力には色んなのがあるってロシナンテから聞いてはいたけど、こんなのもあるんだ…。
呆然とオカマとルフィたちが騒ぐのを眺めてたら、オカマの仲間の船が近くにいたらしくそろそろ別れの時間だと告げていた。


「友情ってヤツァ…付き合った時間とは関係ナッスィング!!」


名言を残して船から去っていったオカマ。

そのオカマはなんと、ビビの国を脅かしているグループの幹部だったと後にわかった。
何で気付かなかったのか不思議なくらい、ビビはその人の特徴をよく知っていたみたいだけど。


「…さっきあいつが見せた過去のメモリーの中に父の顔があったわ!あいつ一体、父の顔を使ってなにを…!」


王女であるビビの父親といえば、国王。

国王と同じ顔になれるなんてそんなの悪用されるしするに決まってる。
…でも、なんだろう。あのオカマ、そこまで悪い人には見えなかったような気がしないでもない。


「ナマエー!おまえもこれするぞ!」
「ん?これって、」
「これを書いて、これを巻く!そんだけだ!」


船長のルフィに呼ばれて駆け寄ると、マジックで左手にバツマークを書かれてその上から包帯を巻かれる。


「これは?」
「おまえ話聞いてなかったのか?」
「…うん。ちょっと、色々考えてて」


ゾロに溜め息を吐かれて少しムッとすると、さっきのオカマのマネマネ能力への対策だと教えてくれた。
左腕のコレが仲間の印だ!と声を上げるルフィに他の人達は笑うけど、わたしはそれどころじゃない。


「ちょっと待って!わたしは次の島で降ろしてもらう予定だから別にこの印はいらないでしょう?」
「んじゃ、降りないで俺の仲間になればいいじゃねェか!一緒に行こう!」
「なっ…ならないよ、海賊には。それにわたしはロシナンテを探さないといけないんだから」


さも簡単なことかのようにルフィは言ってくるけど、海賊になるなんてとんでもない。
わたしはとにかく早くロシナンテと会いたいし、そのあとは2人でひっそりと静かに暮らしたい。


「だってよォ…当てはあんのか?次の島で降りて、どうやって生活するんだよ」
「それは、」
「それに俺たちと海に出て色んなとこ冒険してたら、そっちの方がロシ…なんとか?見つかる可能性上がるかもしれねェじゃねーか!」


ルフィにしては正論ね、とナミが言うのが聞こえた。

ロシナンテを探すという目的なら確かにそうだ。
異世界から来てこの世界のことを知らないわたしが、いくら1人で動いたところでロシナンテを見つけられる可能性は…認めたくないけど希薄。

悪魔の実があるからお金に困らないにしたって、お金でロシナンテが見つかるのかといえばそうじゃない。


「まあ、ナマエさんもいきなり海賊の仲間になれと言われてすぐに答えが出るわけもねェ…。とりあえずは恋人の手掛かりとか何か情報が掴めるまではこの船にいた方がいい。こんな可憐なレディが1人でいたら危ねェよ」


ルフィに続く正論ね、と再びナミが言えばサンジが煙草を吹かしながら『ナミさん惚れたァ!?』とハートを撒き散らしていた。


「そうね。もうすぐそこにナノハナという町があるから、着いたら私達も聞き込みをしてみるわ。そこまで長い時間は滞在できないけれど…」
「………ううん。ありがとう、ビビ」
「ナマエすわぁん!俺も探すからねェ〜!」
「サンジも、ありがとう」


ナミもウソップもチョッパーも頷いてくれて、ゾロは無表情でよく分からない。
ルフィは満足げに二カッと笑うと、船の先端にある羊の上にタッと乗った。


「よし、じゃあ上陸するぞ!メシ屋とナマエのコイビト探し!あとアラバスタ!」
「アラバスタはついでかよ!!」


面白い海賊に拾ってもらっちゃったな、とわたしは小さく笑った。



気が紛れる
(マイナス思考になり過ぎたらダメだ)