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15





「ねえ、ロシナンテ」
「どうした?」
「砲撃は宮前広場に撃ち込まれるって言ってたよね?」


B・Wの残党に襲撃されたりしながらも砲撃手を探し回っていると、隣を走っていたナマエが足を止めた。


「広場全体が見渡せて、いいところに砲弾を撃ち落とせるような場所…」
「ナマエ?」
「ー…この広場の近くで1番高い建物って、!」
「高い建物…って、あ!」


ここからでも見える高い建物は、時計台。
そしてそこに目を向けたと同時に、どこからか赤い狼煙が打ち上げられて、その狼煙の下には“時計台”のメッセージが見える。

ナマエの読みは当たってたってことか…!

同じようにメッセージを見ただろう隣にいるナマエを見たら、彼女には珍しくニヤリと得意気に笑っていた。
魅力に満ち溢れたその表情に、ドキッとさせられて心音が速くなっていく。

あーあ、早いとここの国騒動終わらせてナマエと久しぶりにイチャつきてェな…。
ビビに言えばナマエと部屋一緒とかにしてもらえる気がするもんな。…後でダメ元で言ってみるか。


「…よし!行こう、ロシナンテ」
「あァ。時計台までダッシュだ」


砲撃開始まで、あと3分を切っていた。



□ □ □



時計台に辿り着くと他の奴らももう集まっていて、何故かサンジとゾロに至っては時計台に既に登っていた。

“北”に行けと言われて“上”を目指したら時計台に登ってたって…ゾロ、おまえ相当な方向音痴か。
ドジな俺でもそこまでじゃねェぞ、って叫んだら『うるせェ!結果オーライだろうが!』と怒鳴り返されちまって思わず笑った。


「2人の位置からじゃ時計台の内部へは入れない。あそこへ行くには1階の奥にある階段が唯一の到達手段なの」


ビビの言葉を聞いたナマエが弾かれたようにダッと時計台の入口へと走り出し。
それに俺もついて行こうとしたら『待って!いい考えがある!』というナミの声に引き留められた。

そのいい考えを聞く前に、ギギ…と軋むような鈍い音が聞こえたかと思えば時計台の遥か上にある時計部分が扉のように徐々に開いていく。


「…っMr.7!!」


時計のあった場所には2つの影が現れる。
変な格好をした小柄な男と、カエルみてェな女。
…あいつらがクロコダイルの仲間で砲撃手。


「っ、コラソンかウソップ!どっちでもいいからチョッパーとビビを担いでそこに立って…!」


全身包帯のウソップに気遣って俺がチョッパーを背中に乗せ、チョッパーの上にビビが乗る。


「…ナミ?いい考えって、」
「ナマエ…コレで風を巻き起こしてサイクロンで一気に上空への飛ばすのよ!その後は時計台に既に登ってるあの2人に任せれば…ッ」
「おいナミ!本当に時間がねェんだぞ!?しくじったら死ぬんだぞ…!?」
「分かってるわよそんなこと!今計算中なの…!」


風を巻き起こす…。
なんだ、そんなもん計算も何もいらねェじゃねーか。

俺は自分がいた位置と近くにいたウソップの位置をヒョイっと交代させて、ウソップの股の間に両手を翳す。
ちょっと何してんの!と声を上げるナミを、俺のやろうとしてることを理解したナマエが諌めてくれていた。


「ナミ、忘れたの?ロシナンテが何の能力者か」
「何のって………あっ!」

「ウソップ悪ィな!ーー大凪=v
「、っは!?…はうッオオオオ!?」


ナギナギの能力によって起こされた爆風がウソップとその背中に乗ったチョッパーとビビを上空へ吹き飛ばす。
その時ふと目に映ったのは、ビビと共にチョッパーの背中に飛び乗ったナマエの姿。


「ー…ナマエ!?」


何でおまえまでそこに…っ!
目をひん剥いて開いた口も塞がらずその様子を唖然と眺めてたら、チョッパーのジャンプ台にされたウソップが落ちてきて『あぶね…!』とそれを避けた。


「…ってめ、コラソン…受け止める、とか…優しい心は…っねェのか、よ…!!」
「…あ、すまねェ。思わず避けちまった」


それからビビとナマエとチョッパーをサンジが足で上へ蹴り飛ばし、次に待っていたゾロが刀を構えるが。


「気付かれた!?」
「ちょっと待てよ!ここはもう空中だぞ!?狙い撃ちでもされたら…ッ!」
「マズいわ!あいつら狙撃手ペアよ!」


俺たちの行動が上にいた砲撃手の2人にバレた。