「これからも、ずっと俺の隣にいてくんしゃい」
俺はその言葉を、一度口にしたことのある言葉を、その時言った場所で、あの時より確実になまえに届く様に。そして、若干照れながら。
「…はい」
そう言って微笑んだなまえはあの時と同じような笑顔で。涙目になって。だけど、幸せだと言う様に、彼女は頷いた。彼女の左手薬指には指輪。小さな石がついた、彼女好みの指輪がはめてある。彼女―なまえはもう一度嬉しそうに微笑むから、俺は愛してるとの言葉とともになまえの左手にそっとキスを落とした。
―7年後。
俺達は遊園地の中にあったあの森林公園が増設され、加えて作られた教会に居た。正しくは、教会の隣にある、あのアーチの下。なまえはこの7年で伸ばした髪を上げ、白のベールそして、白のウエディングドレスを着ている。俺はいつもより高めに結った髪と、なまえと似合いのタキシード。(ちなみにこのドレスのデザインはデザイナーになった姉ちゃんの力作、らしい)向いあって俺たちは立っていて、周りには勿論レギュラー(とその彼女やその奥さんや子供)の面々と、俺たちの親しい友人達だ。
「なまえ、」
「…なんでしょうか?」
ふわりと笑ってみせた彼女に俺は笑いかけて言った。
「愛してるぜよ、今日も、明日も、ずっとな」
以前俺がここで言った言葉とよく似たセリフを言えば、なまえも静かに微笑んで、言った。
「私も、愛してる」
俺はその言葉を聞いてから、もう一度笑って、なまえのベールを上げる。少し涙が潤む彼女にそっと口付けた。
これからも、ずっと隣にいてくんしゃい。
その言葉になまえが大きく頷いたのと同時に周りから拍手を送られたのを感じた。
120407
FIN.…です。
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