昨日は。幸村の頼み(と言う名の圧力)じゃったから仕方なかった、けど。なまえを知ったレギュラー。ちゅーか会わせとうなかった。会わせる意味もないし。じゃからもうこれ以上なまえとレギュラーを会わせることはないし、じゃったらなまえと二人でご飯じゃ、と朝練の後。HR前に俺んクラスに来ちょったなまえをお昼一緒に食わんかと誘った。一瞬目を見開いたなまえは、嬉しそうに笑った後すぐに険しい顔になった。

「…なん、俺と一緒に食いとうなかと?」
「…雅治だけ?」
「そのつもりじゃけど」

そう言えば、ぱあっと表情はすぐに明るくなる。ならええよ!今度は即答じゃった。聞けば一応人見知りのなまえは昨日えらく緊張したらしく。そうは見えんかったと思ったが、どうやら真田への脅しみたいなのとかから考えると幼なじみだからか。俺の詐欺となまえのやるもんは似とる様で。それでおそらく隠したんじゃろうなと思う。

「真田君に今日も理不尽に怒られちょー」
「真田に?」
「うん」

昼休みに外、ましてや中庭、裏庭で食う奴はあまり居らん。ちゅーことで中庭の隅のベンチを陣取って弁当を広げた俺達。はい、とまた今日は人参とアスパラガスがベーコンに巻かれておる。アスパラガス、か。と止まっておれば食べてくれんの?となまえが言うから。そのなまえが可愛いくて。なにこの子。的な感じになる。

「数学の時間寝ちょっただけなんじゃよ?」
「ほーか…って真田と席近いんか」
「隣じゃよとーなーりー」

…真田がなまえの寝顔を見たかと思うとムカつくのぅ。後で真田の格好で何かやっとくけんのぅ。すると、なまえが唐揚げをもぐもぐと食べ終わった後、言った。ちゅーか、もぐもぐが可愛い。リスみたいじゃった。あー引き寄せて抱き寄せて頭ぐりぐりしたい。

「…切原、くんじゃっけ?モジャモジャの」
「赤也じゃなあ。赤也がなんかしたんか?」
「……馴れ馴れしい、子、苦手じゃもん」

手は、雅治とだけ繋ぐんじゃもん。と小さな声で俯いて言うから心臓はバクバク。詐欺師の異名に賭けて、顔には出てないと思うが、なんこの小悪魔は!

「可愛いのぅ、なまえは」
「…昔から変わらん可愛さじゃけ」
「ほんまか。…はあ、なして俺、」

なまえんこと思い出せんのじゃろ。
そう言った俺になまえはただ微笑み、それでも大好きじゃよ雅治、とまたあの可愛さを全開じゃ。きゅんとそれに胸を打たれながらも、俺もじゃよとなまえの頭を撫でた。

110609
(まだ付き合ってませんよ)

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