※仁王誕生日!!ということで愛する仁王のためにテスト前だが(←)、どれだけ短編が書けるか試してみた。第1弾!!


※初っ端から飛ばします。仁王が詐欺師モード(普通に格好いいだけの仁王を指す)。ホントごめん。ちなみに私はさりげに格好よくて人に好きな人譲っちゃう様な不憫な仁王と、わんこでへたれで泣き虫な仁王が大好きです。








ぎしり、とベッドの音がした。もう外は暗くなってきているというのに、部屋には灯りをつけていないから少し視界が悪い。ねえ、と声をかければ、私の上に跨った彼はくつくつと喉を鳴らしてみせて返事をした。視界は暗くて、私は元々目が悪いからあまり周囲は見えない。だが、彼の綺麗な銀髪だけは、ちゃんと見える。



「なんじゃ?」
「雅治。もうちょっと待って」
「なん。据え膳じゃ」



私は雅治の肩に手を置いて押し返した。拗ねた様に言いながらも彼は素直に退いてくれた。向かい合うように座る私達。そして私は彼にぎゅっと抱きついた。雅治はそのまま私の背に手を回してくれた。どうしたんと聞いてくる彼の声色は優しげで。私はそのまま少し体を動かして彼の肩に顔を寄せるように乗せた。



「うん、まずは電気つけよう?電気」
「え?あ、ああ」



呆気にとられたように頷く雅治はそのまま電気をつけてくれるから私はベッドから降りて自分の荷物の元へと行く。今日は大好きな彼の、仁王雅治の誕生日の前の日である。学校と言えば休みだし、雅治自身はテニス部に入っているから部活があったけど、流石に冬場に大会が近い訳でもないので、17時の現時点ではもう家に居る。私は日付が変わるのを一緒に、という感じのお泊りである。雅治とベッドの上に居たのは別に、恋人同士の営みとかそういうのをする目的じゃなくて、疲れたと言って着替えた雅治がベッドの上で雅治の漫画を読んでいた私にのしかかってきただけであって、別に深い事情はこれっぽちもない。




「なんかね、雅治、明日誕生日でしょ?」
「…もっとサプライズ的にくると思っちょったんじゃが」



苦笑いをした雅治に、私も苦笑を漏らす。実は最初はそのつもりで居たんだけど、柳が仁王に読まれている確率82%とか言うから。…いや、人のせいはよくないよね。まあ、それが理由なんだけど。




「これ、誕生日プレゼント。まだ9時間ぐらい早いんだけど」
「ありがとさん。別にそれは気にせん」



笑顔でプレゼントを受け取ってくれた雅治はそれをそのままテーブルに置いた。そして、こっちこいと言った様に手招きをして見せた。不思議に思いながら雅治の方へ行こうとすれば、手を引っ張られ、そのままぎゅっと抱き締められた。ふわりとシャンプーの匂いがする。さっきシャワーを浴びてきた雅治はいつも学校なら縛っている髪をおろしていて、いつも以上にイケメンのオーラと色気が駄々漏れである。




「あー落ち着くー」
「えー痛いよー雅治」



そのままぎゅうと力を入れて抱きついてくる雅治。ふふと笑いながら私は軽くそう言った。ええんじゃよとくつくつと笑って言った雅治は私のうなじにちゅっと小さなキスをした。ひゃっと私が声を上げれば楽しそうに、まだまだじゃのぅとか言うし。




「雅治」
「うん?」



抱きしめてくる雅治の手から抜け出して、立て膝で向かい合う体勢をとる。まっすぐに見つめてくる彼の耳元に口を近づけ。ちゅっとキスを返しながら、




「大好きだよ」



そう言ってみせた。いつも余裕のある雅治に少しはやり返しもしたくなるものである。すると、くつくつと得意の笑い方をしてみせて、雅治の手はいつの間にか私の腰に回っていた。




「夜まで待てれんかも」
「え、ま、待ってよ?」
「さあのう」



そうして綺麗に笑ってみせた彼は私がした様に、耳元で俺も大好きと囁き返してくるから、私は真っ赤になった顔を必死に、無駄と分かっていて隠そうとするのである。





111203
仁王誕生日前日おめでとう!格好…いいかな?とりあえず、ネタはあるからこれから仁王誕生日短編がんばる!
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