従兄弟の自己紹介
蓮二と光。
どちらも、試験会場で知り合って、友人になった。出会ったばかりなのに、気があったから、とか、これから長い付き合いになる、とか言って、名前の漢字も教えてくれた二人。私の目の色のことも、なにも言わなかった。いや、驚いてはいたけど。それよりも、髪色にいたく感動していて、私はそれがすごく照れくさかった。



「久しぶりね」
「お互い受かっていてなによりだ」



蓮二はそう言って、ふっと笑ってみせた。光は、私の後ろに視線を送っていた。私は二人を見た時にサングラスを取っていたが、景吾はまだつけたままで。私が手招きをしてみれば、それに気付いた景吾が笑みを浮かべながら近寄ってきた。



「どうしたんだ?なまえ」



そう言って景吾は私と蓮二、光を交互に見た。光はそのまま景吾をじっと見ていて、それに気付いた景吾がふと首を傾げる。蓮二も不思議に思っている様で、光と同じ様に景吾を見ていた。私は、ああ、と手を打ち、景吾の隣に並んだ。


「この人は景吾。私はパスを持ってないから、連れてきてもらったの」
「景吾だ。よろしく」


景吾がそう言って、サングラスを取った。そうすれば、蓮二も光も声こそ上げなかったが目を僅かながら見開いた。それを景吾が見逃す訳もなく。小さくため息をついてから、前髪をかきあげた。そして、そのまま手を止めた。


「この色が、そんなに珍しいか?あーん?」
「…色自体はな。俺達は小さい頃から話こそ聞いてはきたが、実際に見たことは無いんだよ」
「そうか。…俺の色はいいが、こいつの、なまえの色を差別してみろ。…分かってるな?」


そう景吾は言ってから、腕を組んだ。はあ、と私はため息を一つついた。…この人はまた…。景吾は自分のことより私のことの方を優先することが多い。人を無駄に脅かすこともあるし。ため息をついた私の頭に手を乗せ、景吾はまた言った。それから景吾は私達に場所は分かるのかと聞いてきた。それには光が分かると返事をし、景吾は頃合いを見て開場に迎えに行くと言って野暮用があるとかで、またサングラスをして去っていった。


「…なまえさんの、家族っすか?」
「血は繋がっていそうだったな」
「うん。景吾は私の父の妹さんの息子。従兄弟なの」


そういうと、どことなく似てる気もしたと光は呟いた。それに私が小さく笑みをこぼすと、蓮二が私に景吾に地図を渡したのかと聞いてきた。私がそれに首を振れば、場所が分からないのではないかと聞いてくるから、それにありえないよと返した。どういうことだなと顔で表す2人に私はなんだかおかしいと笑みをもう一度零して、景吾のことを紹介する。


「景吾は私の従兄弟で、医師資格保持者なの」
「…ああ、それでか」
「それと、」
「…それと?」



聞き返した光に、なんだか景吾のことなのに私のことの様に誇らしくなり、私は続けた。


「学者資格も、司教資格も景吾は持ってるの」



唖然とした2人に私はまた笑みを零した。
120712
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