あれからレギュラーの皆さんは、景吾が教えてくれない景吾の今までのことを教えてくれた。そこで新しく頭にインプットしなくちゃと思ったのが、氷帝が全国を獲る際、進路を遮る敵。景吾のライバル的存在である手塚国光が居る青春学園。正直な感想を言うと、すごく恥ずかしい名前の学校だなって。履歴書に書く時、『私立青春学園中等部、高等部卒業』とか書きたくないよ、私だったら。…手塚国光は景吾と肩を並べてきた存在らしい、ずっと。景吾は手塚国光を倒すことに躍起になってる部分もあるって聞いた。全国区のプレイヤーらしい。でもその手塚国光が居ると言えども、去年までの青春学園の成績を言えば全国大会出場とは行かない成績。でも今年のレギュラーメンバーは強い選手が多いらしくて、あと一人でも強い選手が入ったら好敵手と言えるだろう、と。
あと、王者立海大附属。関東大会15連覇、全国三連覇を狙ってる超強豪校らしく。レギュラーの全員が全国区プレイヤーらしい。そして、今、部長である幸村精市は、入院中らしい。病名までは定かではないけど、レギュラーの皆さんが言うには景吾は結構気にしていたらしくて。今度景吾に直接聞いてみようと思う。そう、それから、その部長さんが入院してからと言うもの、立海は負け知らず、と。
他にも有名な学校はあるらしくて。府立四天宝寺中学。去年、全国決勝戦で王者立海大と戦い、準優勝してる学校。忍足君の従兄弟が居るんだとも。
関東強豪、六角中。千葉の王者って言われてるみたい。あとは聖ルドルフ学院ってところは最近全国からプレイヤーを集めて強化しているって噂。あと九州の獅子楽中。九州二翼と称された二人が居なくなったらしいけど、全国常連校らしい。
この中を、勝ち進んで、私達氷帝は、全国に進む。


と、まあ。部活のことばかり考えている訳にもいかないもので。そう。今日は、第一回定期考査初日だったりする。



「なまえちゃん勉強したー?私、一夜漬けしようとしたら途中で寝ちゃって」
「…勉強は一応軽くはしたけど、ねえ、忍足君、一夜漬けってなに?」
「テストとかの前日寝ないで頭ん中に詰め込むっちゅー、まあ、徹夜?」


それになるほど、と頷けば、めいちゃんはギッと忍足君を睨んだ。忍足君はそれを笑顔で流す。…なんでも、めいちゃんと忍足君は毎回テストで競ってるらしくて。2年生の最後は忍足君の勝ちだったのですごく悔しかったとめいちゃんが言ってた。ちなみに、今日の教科は、選択1つと現代文。選択のは、地理もしくは世界史。私は世界史を選んでるんだけど、ちょうど範囲が中世ヨーロッパで、覚えやすくてよかったなあって思ってる。
氷帝は、上位50位までが廊下に貼り出される。中学1年から、景吾は首席を守り続けているらしい。流石景吾。


「おはよう、なまえちゃん」
「あれ、雪ちゃん、おはよう」


すると、違うクラスの雪ちゃんがいつの間にか来ていた。相変わらずの美人さんだ。どうしたの、と聞けば、


「テスト週間は部活休みでしょう?最終日も部活は休みだから、めいと三人でショッピングでもどうかしら?」
「本当?」
「ええ。こういう楽しいことは早めに決めておいた方がいいわ。テスト頑張れるしね」


そうだね!と約束をして雪ちゃんが去ったのを見てから視線を戻せば、まだ忍足君とめいちゃんは睨み合ってて。まあ、忍足君は睨んでないんだけど。…二人とも世界史やらなくていいんだろうか。すると、めいちゃんが、


「なまえちゃんはどれぐらいできるの?」
「どれぐらいって言うのは…」
「向こうじゃどうだったん?」
「んー、まあ、そこそこかなあ」


そう言えば、そこそこってどれぐらいなのよとめいちゃんが言った。そう言われても、どう言えば良いんだろうか。向こうじゃあ、学校の勉強が終わった後は友達と遊ぶかマネジメントの勉強に行くか、で勉強なんて予習復習ぐらいしかやってなかったし、だからそれ相応の出来だと思うのだけど。そもそもイギリスで通っていた学校は日本で言う大学みたいなもので、単位さえ取れればよかったから順番が出たとしても然程気に留めなかったから、見たことがないんだよね…。


「あ!そう言えば、みょうじさん。メアド教えてや」


なんだかんだ言うて交換してなかったやろ、と笑顔で言った忍足君に、めいちゃんも私も!と手を挙げる。それに私は頷く。そして、メモリに増えた二人の名前を確認して、嬉しく思いつつ、世界史の勉強をしようとノートに向かった。

121130
閑話です。一応は原作沿いですから頑張ります
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