確かに、私は、自分勝手だ。


「なまえちゃん、今日一緒に帰らない?」


帰りにHRが終わった後、めいちゃんがそう言った。今日は生徒会ないんだと言っためいちゃんにごめんねと私は謝った。めいちゃんは、えーと駄々をこねた子供の様に頬を膨らませる。可愛いなあ、と思いつつ、私は言った。


「部活なの、今日から」


そう言った私に、え、と驚いた様に―ああ、驚いて、―声を上げたのはめいちゃんと忍足君。二人とも不思議そうにしているから私はもう一度、部活に入ったんだよと言った。


「部活入ったんだ。じゃあ、オフの日遊ぼう!」
「うん。でも、まだオフの日知らないの」
「あ、部活なに?私、生徒会だし大体分かるよ」


そう笑顔で告げためいちゃん。…というか、なんか、忍足君からの視線がちょっと痛い。すると、めいちゃんがそれに気付き、忍足君を睨むと貼り付けた様な笑顔で笑ってみせた忍足君。…ううん、違う。たぶん、この貼り付けた笑顔は、めいちゃんじゃなくて、私に向けて、で。少し、居心地が悪い。なんで、忍足君からこの視線を送られているか分からないけど、…これは逃げた方がよさそう。
そう思った私はすぐに行動を取った。だって、忍足君、なんか怖い。


「め、めいちゃん!私、部活行くから、また明日ね!」
「あ、うん!また明日!」


背中でめいちゃんの声を聞きながら、教室が出る。クラスメートの女の子達が、私に気付きみょうじさんバイバイ、とかさよならーとか言ってくれて、それには手を振ってバイバイ、で返した。そのまま私は、昼休みに景吾に教えてもらった様に、テニスコートへと足を向けた。




部活を始めたと言うたみょうじに、思わず反応してしまった。部活?なんの?まさか、


「…テニス部や、あらへんよな…」

俺はそう小さく呟いた。隣を歩く岳人が不思議そうにこちらを伺うから、みょうじのことだと言うと、あからさまに嫌そうな顔した。


「俺あいつ嫌い。…なんで、他人にテニスのこと決められなきゃいけねえんだよ」
「…まあ、それは皆思うとうるし」
「…で?何があったんだ?」
「ああ、…みょうじが部活入ったって言うとったから、テニス部やないとええなあって」
「はあ?馬鹿じゃねえの?侑士」


馬鹿と言うた岳人に若干ムカつきながら、なんでなん、と返せば、ぴょんっとジャンプを軽く一回して岳人は言った。


「だって、跡部にテニスやめろとか言った奴だぜ?要するにテニス嫌いってことだろ?」


そう言った岳人に、ああ、そういうことか、と思った俺は、それならみょうじはどの部活に、と疑問に思った。…いや、部活に入ったなら、跡部にもあまり関わらない様になるだろうし、それなら俺達にも関わることはなくなる。…まあ、クラスで隣ってこと以外は、やけど。そう、どこか安心した俺に岳人は笑って、早く行こうと走っていく。はあ。別に、テニスは逃げへんのに。そう俺も小さく笑みを溢して、岳人の後を歩いて追った。


120626
転入初日が、1〜5season
転入2日目が6、8season
転入3日目が7、9、10seasonとなります。
分かりにくくてすいません。このあとまだ3日目は続きます。
10season
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