TH | ナノ

seventh code

昨日はとりあえずは、景吾君に滝君とやらの被害状況をもっと明確に調べてもらうことを決めた。あとはいつも通りに、私が選別した依頼を三人で話し合った。その間景吾君はいつも色々やってる。この前はフランス語の本を読んでいたし、昨日は自分のノートパソコンを出して生徒会の資料を作っていた。ちなみに覗いたとかではなく、景吾君がプリンターを借りたいと言った時に内容を一応確認したのだ。なにせ彼はあの、AKの社長さんだし、重要書類を出先に作成するとは思えないし、私達がそれを悪用なんて別にしないから大丈夫なんだけど、一応。

まあ、そして話し合った私達は、THとして名前は伏せているサイトの更新などをして、(パソコンの豆知識や普通の豆知識、お勧めの本や自作のコンピューターゲームがあるサイトだ。要するになんでもあり。)昨日は夕飯は家で各々食べるとしてお開きとなった。
まあ。家に帰れば、両親も兄さんも居ないので私は蓮の家に転がりこんだけど。マサも同じことをしていて、また三人一緒になって、これは景吾君が拗ねてしまうなと思った。


そして。今日。
先生、早く席替えをしましょう。

あいにく、私は我慢というか忍耐というか。そういうのが、一般的な人よりは優れているとは思う。…小さい頃からあの暴虐不尽な兄さんと自由奔放な両親。そして時に鬼畜となる蓮を相手にしてきたんだ。…私はマサが居なかったらノイローゼになっていたかもしれない。…あの人もけっこうな自由人で、蓮も疲れてるから相当な人だ。

まあ。そんな訳で忍耐力は秀でてる方だとは思うが、元来私は短気な方なのである。

だから。我慢してきた。してる。


「部長!それでですね!聞いてください!」
「うん。聞いてるよ、赤也」


こんの、大型犬があああ!!
毎回毎回休み時間事にわざわざうちのクラスまで来て、神の子に話しかけて!!まじ本当なんなの…。休み時間近くになると同級生が迎えにくる辺り、友達が居なくて幸村のところに来てる訳じゃなさそうだけど。確か、この子は、テニス部レギュラーの切原赤也、だったな。あ、レギュラーってのは、私達が中3の時の、だけど。…確かこの子が去年まで中等部のテニス部の部長だね。

…ああ。もう早くどっか行ってくれないかな…。まじもう…最初は愛のところに非難してたけど、すると私の席座ったり、前に立ってて座れなくなるから席を立てないし。


「…あ、そういえば。幸村部長」
「ん?」
「越前の奴、アメリカから帰ってきたらしいっす」
「…へえ。あのボウヤがねえ」


…うわ、幸村のこの笑み。嫌いだわ。
それにしても。…越前?ああ、2年前。3連覇をかけてた時に幸村が決勝で負けた相手校の選手だよね、確か。アメリカなんかに行ってたんだー。へえ。…顔全く知らないけどね。


「なんでそれを赤也が?」
「あ、俺昨日見たんスよ!ラケットのガットの張替え、東京に行ったんスけど、東京駅で越前を!そんで、去年も一昨年もあいつ、夏の大会だけ出てアメリカ行っちまったでしょ?だから、戻ってきたんだと思って、海堂にメールしたんス!」
「そしたら?」
「なんか、海堂たちは一応、戻るってこと聞いてたらしいんですけど、信憑性があれだったんで…しい太の友達なんて名前だっけな…ほ、堀尾?にクラス名簿確認させたら、名前あったらしくて!」
「へえ。戻ってきたんだ。ボウヤ。…また夏の大会終わったら帰っちゃうかもね?」
「…まあ、今年は俺には関係ないっスけどね」


ふーん。
アメリカ帰りの、越前君、か。
なんか興味あるなあ。なんで夏の大会だけ出て帰るんだろう。…何より!

神の子って言われてる、幸村を倒した子だよ!しかも、当時中1!



これは、もう!
調べさせていただきますよ!

と活きこんだものの。滝君のパソコンのことを思い出して少し憂鬱になった。…どうやら、滝君に会わなければならないのは私の可能性大なのだ。滝君とマサ、蓮は会ったことがあるらしくて、それだと変装しなくちゃならず。だったら、顔を知られてない私が、ってことらしく。


…まあ、いっか。
とりあえず、このワカメ。早く帰らないかな。

120212