世界に来たから



私はカーペットの上に座り込んで、以前から愛用していた抱き枕をぎゅっと抱いた。

ちょと落ち着こうよ、そうだ、深呼吸しよう。私は静かに深呼吸をした。…よし、少しは落ち着けた。大丈夫。


ちょっと整理しよう。
まず、私は高校2年だったはず。そう。
高校の帰りに自転車で土手に落っこちた。そう。
目を覚ますと自称神様が目の前に居て、どうやら自称神様のせいで私は土手に落ちて、これからの人生はあまりよくないものだと言われた。…夢でなかったら、そう。
時間を巻き戻してくれるとか言うから、当たり前だと戻してもらった。そう。
そしたら、自称神様は違う世界が混ざったとか言った。そう。

…違う世界って、もしかしてテニプリの世界のこと?

それならば、納得が行く。
あの自称神様の管理する世界の一つが私の居た世界と、テニプリの世界。時間を戻す際にこの二つが混ざった、ってこと?
厨二くさいけど、でもこうやって考えれば、この世界にテニプリがないことも理解出来る。

…そうか。テニプリ、ないのか…。
テニプリ―テニスの王子様は、私が初めて尋常じゃないくらいにハマった漫画なのだ。漫画だけでなく、アニメも好きだったし、ミュージカルも好きだった。


…それが、ないんだ。
いや、ない、訳じゃ、ないけど。

私が好きだったのは漫画の「テニスの王子様」だった。
そりゃあ、夢小説とか書いてたから、たまに「テニプリの世界に行きたいー」とか言ってたけど、本気で言ってなかったし。
…いざ、テニプリの世界に来て、入学する中学は立海…。


「でも、深く考えてもだめかなー…」


どうせ、テニプリの世界に来たなら、キャラと仲良くなれるのはあんまりうますぎるからないとするけど。どうせなら。


「試合とか、見たいなあ」


王者立海はもちろん、氷帝とか。
でも、一個上が赤也とか、納得いかない。…正直、真田とかは同い年に思えないけど、勿論、高2としても。でも、赤也が先輩なのは、なあ。
まあ、関わりないと思うけど。
120801
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