あれから、1週間が経ち、私は『篠原葵』を殺すことに決めた。

あれだけ、散々裏切られ、もう、青学に戻る気持ちは微塵も無かった。あの人達を信じる気持ちも、待つ気持ちも、もう消えた。

でも、悔しい。少なくとも、私は彼らを仲間だと思っていた。ツナ達と同じくらい、信じてもいいと思える程の。私の本当の名字は雲雀だと言ってもいいと思えたぐらいだったのに。そして、私を悪者だと、加害者だと、信じているのが何より悔しかった。

それだけ。私が、加害者だと思っていることだけは、どうしても。許せなかった。
もう二度と会うことはないだろうけど、もし再会したのなら、その時。誤解が解けていればいい。でも、私が加害者のまま、だったら。私は、自分を止められるかは、自信がない。






すぐさま、私は恭兄とツナに頼んだ。二人は「私がいいなら、」と喜んで引き受けてくれた。


そして、『篠原葵』の葬式。
私はまだ入院中で、行けなかったけれど、執り行ったボンゴレの皆や、景吾や精市などに聞けば、青学レギュラーの態度は散々だったみたいだ。










そして、そこに、息を切らして駆け込んできたのが、


『っ、葵…っ!!』


リョーマで。


リョーマは青学の中で私のことを唯一信じてくれた人で、リョーマのお父さんの南次郎さんは、ボンゴレの門外顧問。

 そして、私の、本当の、仲間





リョーマは、全国大会が終わった後、南次郎さんの門外顧問の仕事の都合でアメリカに渡った。

何度も何度も、私に謝って。

リョーマが謝る理由なんてないのに。そして、リョーマは、並盛に転校するように何度も何度も、謝るのと同じくらい私に言ってから、アメリカに旅立った。





葬式をやる、ということをどこからか聞き付けたリョーマは、アメリカから急に日本にへと帰ってきてくれたのだ。ちなみに、リョーマに知らせないと決めたのは、私と恭兄とツナと景吾。(綱吉と恭兄はディーノが怪しいと言ってた)


そして、夏目綾香を見た瞬間、殴りそうになったらしく、ツナが止めてくれたらしい






病室に後で、お見舞いに来てくれたリョーマは恥ずかしそうに、目を伏せていたけど



「おかえり、リョーマ」

「、ただいま、葵」




そう、笑ってくれた














10年経った今でも、思う

あの時、リョーマの言う通りに並盛に行ってたら

あの時、夏目綾香なんてさっさと潰し返してたら

あの時、レギュラーの皆を信じていなかったら





もし、青学に通っていなかったら、







私の今は、変わっていたのかな




後遺症の様に未だ残る、気まぐれに起こる身体への異常と、一生消えない傷。





今になっても思う

10年経っても、綾香が憎い
夏目綾香が憎い


でも、復讐はしない、つもりだった。

昔起てた誓いは、心の奥に押し込んでいたし、ファミリーの皆と居た10年は楽しいことしかなかったから、忘れかけようとしていた。




多分、あの時のあの人達の態度が、また違うものだったら、また話が変わっていたのに







十年経った今君は何をしてる

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