「…ふふ、」


不二さんは侑士に任せてきた。突然の電話は多分、あの子だと思う。横をそっと見てみれば、侑士と不二さんが話してみるみたいだった。開いた携帯の液晶には見慣れた名前が表示されていて思わず笑みを零してしまった。


「…Hello?Ryoma?」

『Hello.葵。ご機嫌じゃん、何かあったの?』

「…Don't you need to speak English there?(…あなた、英語使わなくていいのかしら?)」

『だって日本だから、今』

「……I don't know it.(……私は知らないんだけど、)」

『たった今着いたの。まあ、九州空港だけどね。できることなら今すぐ会いたいな!ツナに頼んだからヘリで帰れるし、葵は今どこに居るの?…仕事中?』

「…No,Company's is ,so vongore's isn't.I am working as a phychiatrist in the Oshitari's hospital.(…ううん、向こうのじゃないわ。今、忍足病院で精神化医として働いてるの)」

『…ふーん。…葵が英語で話してるってことは誰か近くに居るんだよね?……また後で電話するよ』

「Yes,I will wait for you,Ryoma.See you.(ええ、待ってるわリョーマ。また後でね)」


今日は水曜日。明日は木曜日。今週の土曜日には同窓会がある。

…ああ。笑いが零れそうよ。やっとやっと、劇が、始まりを告げる。本当の始まりがやっと。






タカさんが私を篠原葵だと知ってることも、不二さんが私と篠原葵を重ねてるのも、乾さんが私を篠原葵だと疑ってることも、これから会うあの人達の仲間にも綾香にもこのことを3人とも言ってないことも。


 全て、台本通りだから



台本。それは私が「闇の脚本家」と呼ばれる由縁となった私の商売道具の一つ。
私の任務は何事も長期。長期間の間に、精神科医とか普通の医者として潜り込む。任務の殆どは所謂、スパイとして潜り込み、相手のマフィアが滅びるべきなのか、そのまま居るべきなのかを判断して、綱吉に報告し、滅びるべきだったら恭兄が乗り込んでくるのに便乗して私も恭兄に協力する。

私の書く台本は、普通のドラマの台本と違う。台詞なんて書かない。行動も書かない。台本と証されるメモリースティックに入ってるのは、ターゲットとなる敵となる人達のデータ。それと私がやる大体の行動。その時どんな話をどんな方向に持っていくかが全て書いてある。


言わば、資料の固まり、レポートに私の意思を台本と言っているだけに過ぎない。






さて、リョーマも帰ってきたし、また基地は騒がしくなりそう。

それも、仲間だから嬉しいことだけど。








さ あ ほ ん と う の す た ー と を

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