「でー、なーんで皆で来て、来て早々こんなことになってる訳ー?」
「…クフ、これは…後片付けが大変ですね」
街の本屋さんでタカさんが来る頃を見計らって会話し、数冊の本とか雑誌を買って、骸が行きたかったというカフェに、台本参加の協力のため行ってきた。(本当は骸じゃなくて武といくハズだったんだけど、武が急に証券会社から呼び出しをくらったから駄目になっちゃったのよね)
そして、お昼をそこのカフェで済ませ、アジトに帰ってきたら、……大広間は、いつものそこじゃなかった。
「あ、葵ちゃん!おかえりー」
「あ、うん、京子ちゃんただいま」
「ハヒ、葵ちゃんいつ帰ってたのでしょうか?」
「今さっきだよー」
ふわり、と笑った京子ちゃんと、少し驚いたハルにそう笑顔で返す。骸は凪と話している。
……とりあえずは、
「これ、どうしたの、」
「あ、この椅子に突き刺さってるナイフは、ベルさんのだよ」
「こっちの切り込みはスクアーロさんのです」
いやいや、待って、二人とも。…それは見れば分かるって。私が聞いているのは、
「なーんで、XUNXUS君達の爪痕がはっきり残ってるかだよねー?葵チャーン」
「そうそう。何をきっかけにこんなに遊ん、だ、の、かし、ら…」
「んー?どうしたの?葵チャン」
こ、の、声、は!
ばっと後ろを振り向けば、白い髪がゆらゆらと楽しげに揺れている。
「白、蘭、」
「そうだよー。葵チャン久しぶりー!」
そう抱き着いてきた、白いの。その後ろでハハンッと独特な笑い声が聞こえて。そしたら、ばっとほぼ0だった私と白蘭との間が大幅に開いた。
「ねぇ、君。葵に何してるの?」
「なんだーきょーや君じゃない。僕は葵チャンと挨拶してただけだよ」
「日本の挨拶はハグじゃないし、万が一してもハグの時間長すぎ。葵が汚れるからやめてくれる?」
「ハハン。それはどういう意味でしょうかね?雲雀恭弥君」
「桔梗、だっけ?まあ名前なんてどうでもいいや。僕機嫌が悪いんだ。今から君を咬み殺してあげるよ。滅多にない再会への喜びとしてでも取れば?」
「ハハン!いい度胸ですね!あなたと再会して喜べるのは、あなたを殺す事が出来るという事実だけですがね。事実とは言え白蘭様に言っていいことと悪いことがあるんですよ?」
「…真面目な顔して馬鹿なこと言うよねー桔梗チャンてさー。ねー正チャン」
「はあ…。それより、白蘭さん。スパナが見つからないんですけど、」
なんか…桔梗君は未来の時は凄い策士ぽいていうか、格好よかったけど、…馬鹿だなあって思うこの頃。てか、恭兄と二人揃うと昔の恭兄と骸みたい。最近仲いいから滅多に喧嘩しないからなーあの二人。そんなことを考えていると、ぎゅ、とまた後ろから抱きしめられた。
「ししっ。葵ー久しぶりー」
「あ、ベル。久しぶりね。元気だった?」
「もち。だって俺王子だもん」
「うお゙ぉ゙ぉ゙い…またあのカスボス消えたぜぇぇ」
「また?もう僕は探さないからね。レヴィにでも頼んだら?」
「だから奴はあっちに置いてきたっつってをだろぉぉ」 あら!この声は!
「スクアーロ!久しぶりねー本当!何ヶ月ぶりかしら?」
「俺と葵の任務が仕組まれた様に入れ替わりだったからなあぁ。…半年ぶりだぜぇぇ」
そうなのだ。元々、ヴァリアーはあまり関わりがないし、敷地は同じでも私達が居る本部とは暗殺部隊の建物が違う。他のメンバーはちょくちょく遊びに来てくれるし、京子ちゃんとかハルとか凪とかビアンキとかルッスリーアとかマーモンとかよく一緒に服とか買いに出掛けたりするんだけど。
何故かスクアーロの任務と私の任務が上手く重なったり、入れ替わり立ち代わりで中々会えなかったりしたのだ。
「別に隊長と葵さんが会えなくてもー、ぶっちゃけそんなに差し支える事ないですよねー師匠」
「それを僕に聞きますか?やはりお前はダメな弟子ですね。全く…」
「痛いですー師匠ー」
ぐさり、と音を立ててフランのカエルに突き刺さった三又槍は凪じゃなくて骸のもので。フランの隣でベルは面白そうに、ししっと笑う。いつの間にか来ていたマーモンが、呆れた様に溜息をついた。カキン、と戦う音は恭兄と桔梗君で。あ、シャンデリア1個壊した。白蘭は、楽しそうだなーね正チャン、あ居たスパナ!ん?正一ウチになんか用?…あ、泣きそうになってる。
とりあえず、皆、綱吉か隼人が来るまでに色々とやめなきゃ、怒られるよ、本当に。隼人ならまだしも綱吉だったら氷漬けだよ特に恭兄と桔梗君。腹いせに白蘭もやられるかもね。
久々の騒がしさに頬が無意識に緩んでいた
だ い す き な じ か ん