数日後、私の悪い噂が流れた。



青学では一人暮らしをしていると言っていたから、それを利用したのか、








『親が居ないのは借金で自殺したから』とか(母さんも父さんもちゃんと生きてるから。今でも雲雀家を継がなかった私達を恨みも咎めもしないで、名家としての雲雀家を汚さないように頑張ってくれてる)


『金を稼ぐ為に援交をしている』とか(そんなことをしたら恭兄に殺される。骸に襲われる。綱吉に焼かれる。その前に家が家だし、お金にそれほど困らなかったし、普通の生活が送れればいいし。まあ、今の生活も普通じゃないって言ったら普通じゃないけど)


『ヤクザと繋がっていてクスリを乱用してる、常習犯』とか(ボンゴレはクスリはご法度だし、まずやらなければならない状況に陥った事がない。もしやったらファミリー追放の前に、恭兄に殺される。綱吉に焼かれる。その前にやりたくないし。プラス乱用、常習犯だったら態度とか行動とかがおかしくなるから)






そしてそれを信じた馬鹿な人達。
(勿論、全校生徒とテニス部のこと。リョーマは除くけど)

そしてまだ、あの人達を仲間だと、いつかは分かってくれると、信じていた馬鹿な私。


流れた噂により、まず皆(テニス部レギュラー)と距離が生まれた。仲が良かった友人とも。信頼されていたはずの教師とも。(竜崎先生はボンゴレのことを知っていたから大丈夫だったけど。ちなみに桜乃ちゃんは途中から私の進めで小坂田さんと一緒に転校した)


そして、




「どう?楽しいかな?」

「…楽しい訳ないよ」

「そう?私はとっても楽しい!!
もっともっと堕としてあげる!!自分から消えたくなるぐらいにね!!」



綾香はそう言って高らかに笑った。









そして、次の日。
クスリで潰れた生徒が2人、発見された。真っ先に疑われたのは、噂でクスリをやっていると騒がれている私だった。



「お前がやったんだろう?篠原」

「やってません。なんで私なんですか?」

「噂があるだろう!!」

「噂を信じてはいけませんよ、先生。噂は噂です。まあ、もし噂通りに私がクスリをやっていたとします。なら私が潰れていないのは何故でしょうね?」

「それは、」

「私を疑う前に、くだらないことを言う前に、早く真犯人を突き止める方がよろしいと思いますよ」




私が疑われたけれど、私の言い分は正しいものであり、証拠もない上に、私とその生徒2人とは全く接点が無かった。




教師達は、私以外の人を疑うことを、その事件から5日後の日、やっと始めた。







私は既に独自に調査を進めていた。
竜崎先生はボンゴレを南次郎さん繋がりで知っていたから、私の味方で。だから、竜崎先生に頼んで、生徒2人が持っていたクスリを一部もってきてもらい、それをボンゴレの化学班に回した。

綱吉にもあのクスリについて調べてもらった。

すると、そのクスリはイタリアでもばらまかれていた。日本も東京、しかも青学周辺を中心にこの頃出回っているらしかった。隣町である並盛には回ってはいなかったけれど、不動峰やルドルフ、ましてや氷帝にまで、それは広がっていた。不動峰やルドルフ、氷帝は、景吾と侑士に私がコンタクトをとり、警告をした。だが、流石は氷帝生(不動峰、ルドルフもだけど)。クスリにだなんて目もくれていなかった。


そして、イタリアでそれをばらまいていたファミリーが『サンセッタンファミリー』、という小規模マフィア。すぐにタン9代目の命により潰されたが、その後、私は気になったことがあり、綱吉に頼んだ。






『夏目綾香』を、調べて欲しいと。









綾香に嵌められ、クスリの事を知りたいのに誰にも聞けない状況が続いていたから、頼んだんだ。『監視カメラ』を青学の、『隠れて会える、中々人が来ないけど、怪しまれない場所』に目星をつけて設置した。

すると、そこには綾香が数人の生徒に何か白い袋を渡すのを。








そして、綱吉に頼んで3日後。
私のところに恭兄経由で綾香の資料が来た。厚さはせいぜい70頁ぐらいの厚さ。
一般人にしたら、ちょっと多いぐらいだろう。




そして、そこには信じられない内容が書かれていた。











『夏目綾香。13歳。19XX年11月24日生まれ。血液型、B型。星座、いて座。

青春学園中等部2年。
男子テニス部マネージャー。
夏目財閥(P15参照)の一人娘。
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夏目財閥は、ラルツォーネファミリー(P34参照)かと疑われている。只今調査中』

















昔々に気付いた私

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