「ちょっと恭兄!何してるの!」
「…群れてる感じがしたから、つい、」


全員の視線がドアに向いて、それからそんな声が聞こえてきた。聞いたことのない声だから、新人の人かも。桃が、あ来たんスねーとか呟いた時だった。おいこらてめえ恭弥!…なんか、罵声というか怒鳴り声というか。そんな感じのがドアの外から聞こえてきた。その声の直後に入ってきたのは、銀髪だった。


「10代目より先入るたぁ、どう意味か分かってんのか?」
「ははっ、隼人、それどっかのチンピラみたいなのな!」


銀髪は先に音を立てて入ってきた黒髪の男子の方を見ながら言った。黒髪の男子はむっと、拗ねた感じになる。女子の方は大きくため息をついた。銀髪の発言のあとに入ってきたのは黒髪の、最初に入ってきた男子より短い髪の長身の男子。はは!と笑って銀髪の肩を隼人と言って叩いた。なんか凄い奴らにゃ不二、と英二が隣で言うから、楽しそうだねと目を細めながら返した。


「久しぶりだね、名前、恭弥」
「あ、精市ー。久しぶりー」
「…久しぶりだね、精市。」


すると幸村がにこやかに笑いながらその4人に近寄りながら、声をかけた。どうやら知り合いらしい。すると女子はにこやかに、女子と一緒に入ってきた男子は薄く笑って、幸村に久しぶりだと言った。すると、いつの間に立っていたのか跡部と忍足(侑士の方)も銀髪と長身の短い短髪の方へと声をかけた。


「よう、久しぶりじゃねえか、隼人」
「ああ、と言っても2週間前、向こうで会ったじゃねえか、景吾」
「ええ!俺聞いてへんで、それ!」
「あ、それ依頼のなのな、侑士」
「…ああ、それで2週間前なんやな」


依頼。一体何のことだろうか。そう考えていると、次に一人の小さな女子。右目に髑髏の模様がかかれた眼帯をしていて、少しおどおどしている。すると、先に入ってきた女子は凪、とその女子に手招きをする。あ、と小さく声をあげて、そっちに駆け寄った女子は幸村を見て小さく会釈をした。


「…一体、誰なんだろうね。知り合いみたいだけど」
「そうだね…。…まあ、テレビとかには見たことない人達だけど」
「新人っスかねー」
「…テレビに顔出してねえ奴がいきなりドラマ出演はねえだろが、馬鹿」
「…んだと?マムシ」


あ。やばい。桃と海堂が暴れる。その時、


「皆、早いよー。あ、お兄さんこっちです!骸もどっか行かない!」
「ねえねえ、ツナ。ランボさんは?」
「お前は俺の隣に居れば大丈夫だよ」


ハニーブラウンの髪色をした少年と、天然パーマなのか切原君みたいな髪をした小さな男の子。そのあとに、極限ここか、と感嘆しつつ入ってくる銀髪(こっちはどっちかと言うと白っぽいかな)の男子と、さっき入ってきて凪と呼ばれた女の子と髪型がほぼ同じの男子。その4人が入ってきた。…全員、制服とかじゃなくて黒のスーツを着ていて、変。


「あ!景吾久しぶり!」
「そうだな、綱吉。…ランボも久しぶりじゃねえか、あーん?」


…びっくりした。あの跡部がしゃがんで天然パーマの男の子に目線を合わせてそう言った。…そんなことしなそうに見えるのに。


「久しぶりだもんね!けいごー!」


そう言ってその男の子は跡部の首に手を回してがっしりと抱き着いた。少し驚いたみたいだけど、跡部はふわりと笑ってその男の子の髪を撫で回した。


「ごめんね、景吾」
「いや、ランボには会えなかったからな」 そうだったね、とハニーブラウンが苦笑いをした時だった。閉めていたドアが開いた。


「時間だって、ツナくん」
「ああ、白蘭ありがとう」


入ってきたのは、ハニーブラウンみたいに髪が重力に逆らった感じの、白髪の人だった。ちなみにこの人の服装は黒スーツ、じゃなくて、白の軍服みたいな服を着ている。そのあとから入ってきたのは、眼鏡をかけた60代ぐらいの男性。あ、監督さんだね、と僕が呟くと同時に撮影陣だろうか。何人かの人達が入ってきて、監督さんはハニーブラウンを見ると笑顔になった。


「沢田さん!これはこれは日本にようこそ!」
「永崎監督、お久しぶりです」
「ランボ君も久しぶりだね」
「ひさしぶりー」


監督さんはそう言ってにこりと笑った。そして僕達に向かって同じ様に笑って、一先ず、挨拶をしようか。と言った。入り口付近を撮影陣。窓側に氷帝、立海と並んで座っていて、四天宝寺、僕等青学と座っている。どうやら、ハニーブラウン達は撮影陣の人達の真正面の場所に座るみたいだ。すると、ハニーブラウンの斜め横。つまりは青学の一番後ろに座っていた越前が言った。


「今日はこれだけなの?ツナ」
「そうだよ。あんまり来ちゃうと本部も空いちゃうしね」


その前に久しぶりだねリョーマ、そう微笑むハニーブラウンに越前は返した。


「久しぶりっていうか、そこはただいまって言って欲しかったかな」
「それを言うなら、おかえりでしょう?リョーマ、それに雅治。私達を無視する気?」
「そんなことないぜよ。おかえり、名前、恭弥、みんな」


一番最初に入ってきた女子は、まだ立っていて、仁王の後ろに立っていた。その子は、仁王の肩に手を回しながらそう言うとにこりと笑う。仁王が返す名前が名前だから、あの子が主役みたいだ。全て原作通りだ。綺麗な黒髪は背中まであって、少し切れ長の目は鋭い。


「ちょ、仁王先輩どういうことっスか?!」
「赤也、五月蝿いよ」
「だってぶちょ、」
「ふふっ」「すんません」
「ほら名前も席に着いて」
「りょーかいですよー」


ハニーブラウンに促され、その女子は最初に一緒に入ってきた男子の隣に座った。ちなみに、群れるとか今も言ってるその男子は一番端だ。


「はは!相変わらず楽しいな!」


そう監督さんは笑い、さあ自己紹介から始めようかな、と言った。
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