「お、立海はえーじゃねーの」
「うん。遅れたら先方に失礼だしね。氷帝こそ早いじゃないか」
「それこそ面目ねえからな」


俺達は幸村部長に連れられドラマの顔合わせに来ていた。TV局の大きな会議室の一つに通され出された烏龍茶を飲みながら先輩達と【復讐のサジェスト】について色々話していた。顔合わせが始まるまで後、30分の時に氷帝が来た。一番最初に入ってきたのはやっぱり跡部さんで、跡部さんはそのまま不敵に微笑んだ。すると、幸村部長が笑って話しかけに行った。先方って、誰のことを言ってるんだろ。TV局か?そう思っていると氷帝の芥川さんが丸井先輩に抱きついてきた。…あれ、いつも思うけど、タックルだよな…。

俺達と氷帝が一応学校ごとにまとまって席に座って話をしていると、次に入ってきたのは四天宝寺の3人だった。白石さんに忍足さん、財前。一通りの挨拶を済ませると、その3人も席に座った。

そして、顔合わせまであと10分のとき、青学が来た。


「遅れてすまない」
「まだ大丈夫だと思うよ。10分前だしね」


入って早々謝った手塚さんに幸村部長は微笑んだ。真田副部長も隣で頷いてる。


「まだ、ほんまのメインキャストの人も着いてないんやし、気にせんでええやろ」


白石さんも、台本を片手に言う。手塚さんは青学の奴らに指示を出しながら言った。なんでも、マネージャーの夏目綾香は違う仕事が入って調整が無理でそっちに行ってるらしい。…まあ、あんま好きじゃねえ奴だからいいけど。


「メインキャストの人達はまだ来ていないのか?」
「そうだ。…まあ、まだ顔合わせまであと10分近くあるから大丈夫だろう」


柳さんは腕時計を見ながら言った。
そうだ、まだメインキャストの奴ら来てねえじゃん。


「そういや、メインキャストやる人達って聞かない名前っすね」
「そうだなー。つーか新人なんじゃね?」


まあ、演技で言ったら私達も素人で新人ですがね、と柳生先輩は眼鏡を押し上げながら言った。柳生先輩ってそういやいつも正論だ…すげえ。


「景ちゃん、電話きてへんの?」


すると、氷帝の忍足さんが跡部さんに振った。え、なに?跡部さん知ってんの?


「そういえば、跡部さんのとこに電話するって言ってたよね」


そう言ったのは、越前だ。


「え、おチビ、知ってんの?」


菊丸さんが聞くと越前は意味深な笑みをして、どうでしょうね、とだけ言った。すると仁王先輩が口を開いた。


「…そういや、何人来るんじゃ?」
「そうですね…たぶんマフィア役のこの方達ぐらいではありませんか?」
「ふーん…」


柳生先輩がそう台本を仁王先輩に見せながら言うと、仁王先輩は台本を覗き込みながらそう楽しそうに笑った。そうこうしているうちに、跡部さんが電話をしていた様で、携帯を閉じながら元の席-氷帝の忍足さんと幸村部長の間の席-に座った。さっきまで個人で話していた全員がそっちを向いた。
「どうやった?」


忍足さんが聞くと、跡部さんは、たった今TV局に入ったらしい、と返した。じゃあ、もうすぐ入ってくるだろうか。そう思っていると、


「…あ、忘れてた」
「…精市?どうかしたのか?」
「真田、椅子がたぶん足りないんだ。隅に置いてあるのを並べるから、手伝ってくれるかい?」
「はいはーい!ぶちょー!俺やりっます!」


暇だったので、体を少しは動かそうと思い、立ち上がった。んじゃ俺もやりまーすっと同じように立ったのは桃城だ。幸村部長は、じゃあ10個お願いねと言った。10個ってことは10人は来るってことか。ていうか幸村部長に仁王先輩、跡部さんに氷帝の忍足さんに越前。なんでこの5人は来る人達を知ってんだろ。



すると、勢いよく、ばん!と扉が開いた。
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