私は、今更になって、私を裏切った人達に会いました

彼らは私とは気付いていないようでした

幸せそうに、彼女を囲み笑っていました

彼らが幸せなら、よかったのですが、私はある事実に気が付きました

私は、その事実に、悔しさで、死にそうでした

彼らの中では、私はまだ悪者の烙印を、押されていたままなのでした





------私は、ずっと昔に誓った復讐を、今、実行します






正しいことではありません

許されることでもありません

でも、私の仲間は頷いてくれました






大人になった今だからこそ、できる

この復讐をあの人達にしようと思います






私が案内するは、死んだ方がマシな

そんな、生き地獄です














全ては、10年前の青春学園から
音も無く、始まります
















「ねぇ、あのCM見た?」
「え?どれ?」

渋谷の街角。スクランブル交差点の真ん中辺りに位置するビルの大きな液晶画面。
真っ黒な画面に、女の人の声が聞こえるCM。時々、女の人の台詞に合わせ、画面には台詞が現れたり消えたり、『彼ら』が映ったり、女の人の『仲間』がセピア色で映ったりする、90秒ぐらいの新しいドラマのCMだ。
会話をするのは高校の制服を着た、学校帰りの女子高校生だ。片方が話を振り、もう片方が聞き返す。話を振った方は、手振りをつけて返した。


「あれ!あの新しいドラマの!」
「あ、見た見た!凄いよねー、話してるだけなのに、ついつい見ちゃうんだよね」


話を振られた方の女子がそう言えば、そうそう、と話を振った方も頷く。女の人の声が綺麗だとか、セピア色で移る『彼ら』や『仲間』を誰が演じるのか。そんな話を続ける辺り、二人はキャストを把握している様だ。


「ちょっと不気味だけどねー」
「ねー。あ、でも、あれ原作のプロローグらしいよー」
「そうなんだ!原作買おうかな…。でも、あれ名前全部変えるんでしょ、登場人物」
「らしいねー、なんか原作者が脚本もやってて、本人達の許可取れたから、モデルとした人達の名前でやりたいって言ったんだって!」
「で、そのモデルとした人達が俳優だし、凄いよね」


そうそう、と頷く片方。そのまま二人は、今回俳優として抜擢された今話題のアイドルグループ達の話に移った。誰が好きだとか、そういう女子が好きな類の話題だ。まあ、男子もアイドルの誰が、と言った話はするだろうが、そのアイドルグループはなんせ男子なのだから、会話に上がることはまずないのだろう。
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