すれ違ってまた | ナノ

▼Do you understand?
「は、い?」
「ん?了承したってことでええん?」


そう首をかしげた、財前さん。うわあ、イケメン。…やなくて!!


「ちょお、財前さん、落ち着いてください」
「それはあんたやろ」
「いやいやいや!財前さん、言うてること分かってます?」


そう私が聞けば、何を言うてるんだともとれる様な顔で財前さんは私を見る。いやいやいやいや。そういう顔したいんは私やから。


「ええやん。あかんの?」
「…いや…流石に男の人と同居するんは…」
「ああ、それがあったなあ…。…やけど、どうにかならんかな?」


そう眉を下げて聞いてくる財前さん。
うっ、と詰まった私は、結局財前さんに頷いてしまった。

すると、財前さんはそんな困った顔から普通の顔に戻った。


「さて、そうと決まれば、よろしゅう」


ええええ。切り替え早い。
そう思っていれば財前さんは手を差し伸べてきた。にこやかな笑顔やけど、貼り付けた笑顔ってすぐ分かる様な笑顔で。


…もしかしたら、財前さんって、性格に難があるんじゃ…。
120624
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