すれ違ってまた | ナノ

▼first day
私が唖然として白石さんを見ていれば、さっき忍足さんに聞いた―確か、長谷君。長谷君が白石さんにも声をかける。


「あ、の!白石さん!」
「ん?」


すると白石さんは長谷君―まあ、私達の方を目を輝かせながら振り向いた。…きしょい。そう思うたら隣の遥子にぺしっと叩かれた。ヤバい、声に出てたんか。でも、白石さんはこっち見てへんし、聞こえなかったんやなと安心して、長谷君の方を見た。きらきらと輝いた目をしとる長谷君は白石さんを真っ直ぐ見とる。…お互いきらきらしとってなんか嫌や。


「あの!し、白石さんは、あの、忍足さんと同じテニス部で、部長さんで、バイブルの白石さんで!」
「その白石さんやああ!」


…ば、バイブル?
私が苦笑気味にその言葉を不思議に思えば長谷君は白石さんと握手しとって。…アイドルかっちゅーねん。すると遥子を見れば、魚が死んだ様な目しとって。ど、どうしたんって小声で聞けば、どうも白石さんは変態らしく嫌いだそうで。え、変態なの。近寄りたくない。


「堪忍なあ。あいつ昔より度増してもうて…」


そう苦笑した忍足さんに、そうなんですか!と元気に答えた遥子はどうやら忍足さんのことはやっぱりストライクみたい。…白石さんも結構イケメンなんに、残念の上ことうえない。

とりあえず、研修初日は紹介と言った感じで終わりを告げた。
120515
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