すれ違ってまた | ナノ

▼Is he foolish…?


そのまま忍足さんについていく。
研修と言っても、5、6年生の時の実習の為に一応病棟などの雰囲気などに慣れていた方がいいという大学側の配慮であり、だからまあ夏休みに研修が食い込んでいる訳だけど。その分、冬休みとかが長いからいいとされてるらしい。


「ねえ、忍足先輩、格好ええ。優しそうやし、いかにも子供好きそう」
「そうやね。そう言や、透子はお兄ちゃんがテニス部やなかった?忍足さんと同い年くらいで」
「ああ、銀兄ちゃんやね。忍足先輩と同い年やし、たぶんチームメイトちゃうかな?銀兄ちゃん、レギュラーやったし」
「…銀さん、そんなにすごい人やったんか」


そう言いながら、私はついこないだ会った銀さんを思い出す。…すごく透子とは似て無かった。透子は、名前を石田透子と言って、確か、銀さん、鉄さんとお兄さんが居る。

すると、忍足さんは立ち止まり、


「次はここな。さっきから回っとったとこは小児科に関係ある所やったけど、ここも一応関係あるさかい」
「一応とはなんや、一応とは」
「いだっ」


そう紹介を述べてドアを開けば、中に立っていた人が忍足さんの頭にクリアファイルを思いっきり落とした。


「な、にすんねん!白石!」
「何ってお前の頭ん上にファイル落としただけやろ?ごめんなあ?痛かったか?」


そう言うてにこにこと笑う白石と呼ばれた人は今度は忍足さんにどつかれた。頭を押さえた白石さんはそれから、にこりと笑うて、


「ようこそ。今回は4人やんか。ほら、中入り」


と私達を中へと誘った。
一礼をしてから私が入ると透子も男子二人も同じ様にしてから中へと入った。


「…この病院が、各科ごとに専属の薬剤師を置いてるのは、お前らも知っとるな?」


忍足さんが、髪をぐしゃぐしゃとかきながら、そう嫌そうに言ったのに、私達は頷く。すると、白石さんが、んんーっと唸った?と思ったら、


「エクスタシー!!この子達、めっちゃ新人って感じがして、めっちゃええやん!謙也!」
「うるっさいわぼけ!お前、その癖直せ言うてるやろ!直す気ないんかい!」
「しゃーないやろ。エクスタシー感じるとそう言いたなるんが俺やし」


…あの、彼は馬鹿なんですか。


120325
とりあえず白石出せたから一回切ります
×