3
「これで僕を出し抜いたつもりなら、なめられたものだね」
すう、と一人の影が伸びた。雲雀が足を延ばした下には、黄色い小さな塊と身を寄せるように眠る一人の女の子。気配に敏感な黄色の毛だまりのほうは、熟睡している少女の手と顔の間から抜け出して、雲雀の方にとまった。
「何処にいったのかと思ったら、こんな処にいたのかい」
返事がわりにぴいとなく。
雲雀はしいとヒバードを人差し指で制して、ぐっすり熟眠中の少女をまじまじと見つめ、顔にかかった髪を払った。
「まったく、困ったものだ」
[ 25/26 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]