嵐の前
工場に着けば、もう兄貴分達も勢揃いしていた。このメンツが揃ってる時点で状況はそーとーやべェって事だよな。
兄貴達はそれぞれ見張りやら探りいれるよう頭から指示が出たが、俺とゲン兄ィには指示がない。
「頭、俺とゲン兄ィはよ?」
「お前らは連絡するまで目立った行動は控えて大人しくしてろや。凌、お前はちゃんと学校行っとけよ!好きな女できたんだろ?」
なんてニヤニヤした顔で言われる。いや…
「…出来てねーし、こんな時に学校なんて行ってらんねーっすよ!」
そう返せば兄貴達は一堂揃いも揃ってニヤニヤしてやがる。血生臭い抗争がおっ始まるっつー時にこの人らは…。
「凌からかうのもこの位にしとくとしてよ、凌とゲンはマジメに大人しくしてろよ。お前ら二人が1番血の気多いからな」
「…了解っす」
「はーい、ゲン大人しく待ちまーす」
この日の召集から3日間、
他のチームが動く事も無く
街は静かだった。
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